高速永久磁石モータ

自動車関連会社と共同で,高速永久磁石モータの研究開発を行っています.永久磁石モータでは,回転数に比例した誘導起電力がコイル端子間に発生しますので,これよりも大きい電圧を印加しないとモータに電流を供給することができません.この誘導起電力は,磁束鎖交数(磁石磁束とコイル巻数の積)の時間変化に比例します.決められたバッテリー電圧にて,高速回転時に誘導起電力を抑えるには,磁束を減らす(弱め界磁制御,弱い磁石を使う,etc),あるいはコイルの巻数を減らす,などの方法が挙げられます.本研究開発では,後者に着目し,巻線を工夫したモータ設計にすることで,高速回転を実現しています.

固定子巻線の成形の様子.分布巻きのコイルエンドを抑えるためです.
埋込型永久磁石構造の回転子.IPM(Interior Permanent Magnet)モータと呼ばれます.