マウス(ハツカネズミ)

分類:Mus musculus (哺乳綱、ネズミ目、ネズミ科)

実験動物としての歴史:20世紀当初(メンデルの法則再発見の頃),野生マウス(農場等で捕獲)とペット化されたものを起源として,実験動物としての近交系(当初は純系と言った:兄妹交配を20代重ね1近交系と認定)の樹立開始.現在は人工的遺伝子改変系統等含め無数.
特徴:寿命は~1.5年.受精後20日(ハツカネズミの由来)で誕生.繁殖期間は雄は生後60日頃から生涯,雌は生後55日頃から生涯8回ほど出産.1回に約9匹の仔(年間~4世代進み,「ネズミ算式に増える」ことの由来).生後20日で離乳.4日に1回約10個の卵を自然排卵,ホルモン処理で30個程排卵可能(ES細胞採取,受精卵への遺伝子注入,キメラマウス作製等の胚操作に有効).体重(成体)雄35 g,雌30 g.染色体数40本.全DNA量6 pg.全ゲノム解読済.

以上のような多種の遺伝的に制御された系統が豊富,多産,小型,市販の飼料,微生物チェック等飼育条件が整備されている等の特徴から,実験動物としてのマウスは,哺乳類で起きている生命現象を遺伝子レベルから個体レベル迄様々な解析方法で研究することを可能にしている洗練された実験動物である.また,多くのヒト疾患モデルや再生医学の基礎研究等に応用面でも重要な貢献をしている.

 

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