投稿者:岩瀬 洋一郎(昭和48年 教育学部中社卒/静岡県副知事)
静岡大学を卒業してから早くも37年が経過しました。静岡県庁での公務員生活も仕上げの時を迎えた今年の新年から、思いがけず、川勝知事の下で副知事として新たなスタートを切ることになりました。
国立静岡大学発足の昭和24年に生を受けた私は、大学の歴史とともに年を重ねてきたわけですが、昭和44年の入学式は、静岡市大岩の教育学部静岡本校で迎え、授業は移転先の大谷の新校舎で受けました。
しかし、当時は学生運動が盛んな時期で、新校舎は半年以上にわたり閉鎖されて授業が受けられませんでした。貧乏学生であった私は、この期間を中心に、家庭教師は勿論のこと、道路や堤防工事の手伝い、ビルの窓ふきやトイレの清掃、長距離トラックの助手、大阪万博での会場案内…等々様々なアルバイトを経験し、多くの人たちと関わることによって「現場」を直接肌で感じる貴重な体験を得ることができたと思います。
また、指導教官の家に泊まり込み、寄せ鍋をつつきながら人生談義に花を咲かせたことも思い出されます。「教育内容は大切だが、それに関わる制度も重要」というアドバイスを受け、教員の道から行政分野に方向転換をしました。教官とは、今でもお付き合いが続いています。
静岡県では、現在、「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」を目指して、「徳のある人材の育成」を基本理念に掲げ、「学校で学び、仕事や生活の現場から学び、芸術に接し、より良い生き方を学ぶ」という生涯を通じて学ぶ姿勢の醸成に取り組んでおり、このことを考えるたびに、昔学んだ大谷での学生生活や、先生、友人、出会った人々に思いを馳せるこの頃です。