【第18回】就職、仕事、そして現在

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投稿者:川口 菊雄(昭和28年卒 農学部1回)

今年も新年度の時期を迎えて卒業された方々、就職を確実に掴んでくれたことと思います。社会全体が不況な時期に遭遇して、就職が難しくて大変だったと思いますが、早く新しい仕事に慣れてご精進され、社会のためにご活躍されるよう願うばかりです。

私達が卒業、就職したのは約半世紀も前のことで、今とは社会背景も違いましたが、やはり就職難でした。それでも折角農学部を卒業させてもらったので、出来れば専門を生かして役に立ちたいと思い、ややこだわりをもっていました。やっとのことで静岡県農業試験場へ勤務することが出来、社会へのスタートが始まったわけです。当時の農業は食糧増産一途の世の中であり、私は作物にとって大切な微量要素欠乏対策を担当、後にはマクロ要素についても研究の輪が広がり、これらの成果についてはその都度成果発表、写真や論文発表等、先を競って発表してきた時代でもありました。実はこうした経過があったればこそ、私のその後の人生に大いに役立ったのです。

昭和40年代前半頃から、日本の食糧増産体制からの転換が始まり、農業の多目的生産、しかも安定多収できる土作りが求められるようになりました。昭和45年には「静岡県農耕地土壌の改善基準」なるものを提案し、爾来後輩達によって新しい知見が加えられては継承されています。

また、昭和59年には農水省から、「地力増進法」が制定されました時には、地方の立場で意見を申し上げる機会が与えられました。ここで申し上げたいのは、新卒当時に上司先輩から与えられた課題でも進化発展させることによって、大きく社会へ貢献出来る道が開けます。(静岡県退職、経済連技術コンサル退職、現在地域の有機物資源利用活動に参加中)