【第71回】図書館の思い出

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投稿者:内田 修司(昭和58年 工学部工業化学科卒業〔昭和60年大学院工学研究科修了〕)

 浜松キャンパスの図書館が新しくなったとのニュースを聞いた。 すでに大学を卒業して30年以上が経過し、学生時代の記憶は薄れるばかりである。

当時、図書館の入り口横には新聞が読めるコーナーがあり、生協で食事をした後、新聞を読むという優雅な生活をしていた。ソファのような椅子もあり、休憩には最適だった。
4年になりゼミの発表当番ともなれば、慣れない英語またはドイツ語の論文と格闘し、参考文献や関連書籍を探し、それを読みこなし、説明資料をまとめるという作業を図書館でやっていた。現在のような検索システムは存在しなかったので、関係する物質名や著者名、索引などで地道に検索するしかなかった。当然ながら、もともと読みたい論文に当たらないこともあり、途中まで読んでこれではだめだということで再度検索から始めるなんてことはざらだった。
おかげで英語の論文を読む能力が少しは付き、現在もIT関連で英語の文書を読むのに少しは役に立っている。

現代は本も電子化されて、紙での流通とともに電子書籍として流通する量も増えている。私はやや古い人間なので電子書籍は手に取らず、常に紙の書籍を読んでいる。なかなか二度読みをしない習慣なので、読み終わったら古本屋に処分してしまっている。もっとも、多くの本は近所の図書館で借りて済ませてしまっている。図書館好きはあのころの経験から来ているのかもしれない。

最近の大学生の読書量が減っているというニュースが流れていた。現在の学生たちがどのように図書館を利用しているかはわからないが、知識の宝庫としての価値は今も変わらないはずだ。大学の4年間の授業の間の空いた時間に図書館に通う習慣をつければ、その後の人生がきっと豊かになるだろう。新しくなった図書館が有効利用されることを祈っている。