【第103回】世代の相違雑感

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投稿者:北原 政彦(昭和52年 人文学部法経学科卒)

大学卒業から40年経過した。長野県職員として採用され2年前に退職し、その後縁あって地方独立行政法人長野県立病院機構が第二の職場となっている。仕事柄医師や医療技術者の皆さんとお話をする機会が多い。そんな時に世代間ギャップがよく話題に出る。「最近の若い者は」という言葉が出るようになれば老害に限りなく近いという思いは若い時にも当然持っていたが、今も自戒を込めて強く意識している。しかし、いわゆる各世代の常識がかなり変わってきているということは常に頭に入れておかなければならないと感じている。

私が就職したころは職場の飲み会も頻繁にあり、親睦旅行に毎年出かけるなど、職場内の連帯が強く、先輩の苦労話なども酒席などでよく耳にした。医師の皆さんも同世代の方々は医局講座制の中で教授を頂点に苦楽を共にしたという連帯感が感じられる。そして組織の力は連帯して向上させてきたという思いがある。翻って「最近の若い」方々はこの手のしがらみが苦手なのか機会が無くなっているのか、自分中心の視点を大切にしているので、組織の力を発揮させるにはその時のリーダーの力量が極めて重要な要素になっている。

ところで最近見た資料の中に、電話が怖くて退職…今時新人は「弱すぎ」という日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏の記事があった、入社早々退職する社員が増えている中、退職理由に「会社の電話に出られない」というものがあるというのである。確かに携帯電話、スマホ全盛の今日、固定電話に出ることはほとんど無かった世代の方が会社で電話に出るということに緊張やストレスを感じることは理解できる。この場合の管理職の役目は新入社員が育ってきた環境を考慮し、ひと手間を惜しまずにわかるように指導していくことだとされている。

毎年多くの新人が入職するが、一人一人にふさわしい研修が行えているかといえば忸怩たるものがある。管理職側の努力は今まで以上に必要になっている。とはいえ、これから社会に出ていく皆さんには多くの本を読み二次体験を積み、また、インターンシップなど就職前に社会人としての経験を積んで就職先で大いに活躍して頂きたいと心から願っている。