投稿者:豊田邦子(昭和40年 教育学部卒業/現・教育学部同窓会副会長)
子どもの頃、自分の身近にいる人の中で、一番の憧れは担任の先生だった。休み時間になると真っ先に先生の机の周りに駆け寄り、いろいろ話をしたり、お手伝いをしたりした。毎日、学校に行くのが楽しかった。中学生になってからも担任の先生への憧れは変わらなかった。高校生になり、進路を決める時、私は迷わず静大の教育学部を受験することにした。受験の前夜、担任の先生から電話があり、頑張れよと言って、「門出の曲」を流してくれた。私は感激し、自信をもって受験した。とにかく先生方に恵まれた小・中・高時代だったと思う。
教師になってからの38年間も楽しく充実した毎日だった。子育て中は、校長先生から「今は、80%の力でいいよ。いずれあなたは120%の力を発揮してくれるだろうから」と温かい言葉を掛けていただいた。50代になると介護が加わった。しかし、それも夫の協力でなんとか乗り切ることができた。どんなに忙しく大変な時でも、子どもの前に立つときは、身なりを整えてピシッと立った。そして、さまざまな子どもたちからの相談ごとに真剣に耳を傾けた。それは、幼い頃に担任の先生から受けた温かな姿を自然に受けついたものだったと思う。
今年は、教職を退いてから15年となり、後期高齢者となった。振り返ってみると、子どもから幸せをいっぱいもらった教職人生だったと思っています。
今、学校現場では、子どものいじめ、不登校、保護者のクレーム等で、先生方はご苦労されていると思いますが、常に子どもや保護者の思いに寄り添い、信頼関係を築いていけば、どんな困難も乗り越えられると思います。教師という仕事は素晴らしいものです。
教育学部の皆さん、希望をもって教職を目指して見ませんか。