【第185回】新たな知見

      【第185回】新たな知見 はコメントを受け付けていません

投稿者: 戸塚 央男(1984年 農学部農学科卒)


農学部出身ですが、現在は医療機関で病院経営のお手伝いをしています。この度のエッセイは、静大ではなじみの薄い医療の事について、私見(偏見かも)を述べます。

医療現場の実態は、医師・看護師等国家資格を持った医療従事者で成り立っているということ(注射一本打つにも資格が必要)、患者の命を預かるということでミスあらばいつでも損害賠償を求められたり裁判事になったりするということ、そのため日々新たな専門知識の習得や技術の向上に余念がないということ、コロナや災害等緊急時に特に注目を集めるということがあります。

また、病院経営面から見ると、今まで何気なく病院に通っていた利用者が、コロナ禍を経て病院に行くか行かないかを真剣に考えるようになったこと、そのためコロナ前の利用者数には戻っていないということ、高額医療機器が多く比較的耐用年数が短く技術開発ですぐに陳腐化してしまうということ、高額医療機器の定価と実際の購入価額に大きなギャップがあるということ(定価の90%引もある)、診療報酬改定で国が公定価格を決めているということ、国の医療政策に振り回されてしまうこと、それにより長期計画が立てにくいということ、喫茶店と同様に利用者人数が多ければ経営が成り立つということがあります。

つまり、製造業等の一般企業と比べて制約が多く、経営が難しいということだと思います。

医療機関で働いて、主な趣味はアート(絵描き)であり、大学で学んだことは役に立ってはいません。気のせいかもしれませんが、人としての幅が広がったと思う昨今です。