投稿者:川島 広己(昭和59年 教育学部小学校教員養成課程理科卒)
仕事で下田を訪れた折、互助組合賀茂支部役員の先生が、会議の閉会の言葉で当地に関する吉田松陰の話をしてくれました。おかげでこんな話を思い出しました。
吉田松陰の言葉に、「一人の策を積みて一家の策を成し、一家の策を積みて一国の策を成し、一国の策を積みて天下の策を成し候事、御努力是れ祈る」(1853年8月)というものがあります。
これを齋藤孝氏は、「自分という存在は社会とつながっている。天下は大きな存在だが、その下に国があり、さらに家があり、個人があって成り立っている。だから個人の存在などちっぽけなもので、自分の行動が天下を動かすことはないなどと考えてはいけない。一人の行動が家を動かし、家が地域を、地域が国を動かしていくのだ。(超訳 吉田松陰語録 運命を動かせ 角川文庫)と書いています。
個々の社員、職員が、なぜそうするのかを理解し実践することが結果として組織や国を創っていくと考えれば、理念を組織としてきちんと伝え、一人一人がたとえ小さくとも実行に移すことが大事だと思います。組織や人とのつながりが軽んじられる風潮がじわじわと忍び寄っています。先人から受け継いだ宝物をきちんと後進に恩送りしたいと思います。
(一般財団法人 静岡県教職員互助組合 理事長)