投稿者:中村 元彦(昭和58年教育学部中学校課程数学科卒:教育学部同窓会副会長)
今年6月、教員を目指す学生の皆さんとお話をする機会に恵まれました。話題は教育関連でしたが、非常によい経験をさせていただきました。AI時代が到来し、人々の価値観も社会も大きく変化してきている昨今ですが、彼らの人間性、教育に向ける情熱やしっかりとしたものの考え方に大変感心させられました。教育界が直面する様々な課題に立ち向かおうとしている現役の皆さんに、心からエールを送りたいと思います。
近年、街を歩いていると、外国の方を多く目にするようになりました。観光客だけでなく、日本に定住する方、日本語学校や専門学校あるいは大学に留学生として学ぶ方(※静岡大学には389名/令和7年5月1日現在)など様々な方がいらっしゃいます。出身地域も多岐にわたります。こうした変化を、子供たちはどのように捉え、対応しようとしているのでしょうか。
健全な多文化共生社会をつくりあげるための努力が、今、私たちに求められています。その中でもちろん、「教育」は大きな役割を担っています。家庭教育、社会教育そして学校教育においても前向きに取り組まなければなりません。
働き方改革を掲げながらも長時間労働が解消されない日本の学校・先生方に、また新たな課題が課されるのは、本当に心苦しいことです。しかもその内容は、「多様性を受け入れ、互いを尊重する」とか「差別や偏見をなくす」といった意識(心構え)の育成が柱となります。これがいかに困難なものかは、「男女平等」への道を振り返っても明らかでしょう。しかし日本の未来を考えるとき、たとえ他の何かをスクラップしてでも、ビルドされなければならない取り組みと言えるのではないでしょうか。
負担感を打ち消すものは達成感かもしれません。これから教育の現場において長い年月にわたり活躍しようとする大学生のみなさんには、活動の一つ一つがすばらしい社会の形成に繋がるものとの意識をもって、生き生きと研究・実践に励んでいただきたいと願っています。
