【第81回】大学の昔と今

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投稿者:中井 陽一(昭和37年工学部化学工学科卒)

昭和37年に工学部を卒業した後、他の国立大学の工学研究科に進学した。そして、64歳の時、私立大学の文学研究科に入学し、日本近世史を専攻した。現在76歳であるが、国立大学(国立大学法人)の文学研究科で、日本近世文学を専攻している。これらの4つの大学を通じ、昔と今とでの大学の違いについて感じたことを述べることにする。

昔と今とで最も大きな違いは、学内が非常にきれいになっていることである。建物が立派になったのは、その後の経済成長を考えると当然のこととして、学内には落ち葉を含めゴミが落ちていないのである。これは、大勢の掃除専門の人たちがいるからで、昔の国立大学では考えられないことである。

もう一つの違いは、交通整理のため、通学路に多数のガードマンが配置されていることである。これら二つのことは、私立大学も国立大学も同じのようだ。昔と今とで大きく違うことに、授業料の問題がある。昔は私立と国立とで授業料が大きく違っていたが、今はほとんど差がない。しかも、他の物価と比べると、非常に高くなっていると思う。このことが、掃除や交通整理に人件費を使うことができる要因だろうか?

昔と今の学生の気質を比べると、今の学生の方がまじめであると思う。昭和37年の工学部には、学生数の4倍以上の一部上場企業からの求人があったと記憶している。しかし、今の文系の学生は、就活が大変で、成績が気になるようである。むかし我々は、麻雀・囲碁・仲間との飲み会等を楽しんだ。また、休みには、旅行・登山・スキー等に出かけた。認識不足かもしれないが、今の学生諸君は、囲碁等の室内競技をする人はほとんどいないようであるし、飲み会は先生を囲んだものが主である。旅行もゼミ旅行・研究室旅行等が主で、単独や仲間と旅に出ることはほとんどないように思える。