投稿者:松本 一真(平成3年教育学研究科(英語)卒, 静岡県教育委員会 社会教育課指導主事 )
フランス語の勉強を始めて15年が経つ。フランス人俳優にファンレターを書くのが当初の目的だったが、自分の専門である英語が実に洗練された言語であることに気づくという思いがけない副産物もあった。
学習された方はご存じのとおり、フランス語の動詞には活用が多い。人称、時制や法をすべて動詞の語尾活用で表現しなければならないのである。一方英語は、それらの役割のほとんどを助動詞に移すことで活用を最小限にしている。学生時代にチョムスキーの理論を通じて助動詞の重要性を教わったが、フランス語を学んで初めて実感できたとは、今さらながら情けない学生だったと思う。
さて、そもそもの目標だが、辞書と首引きで数時間考えなければ、件の俳優あてに「あなたの演じる猫型ロボットは、私のイメージとは少し違うけれど可愛いです」とは書けそうにない。そういうわけでフランス語の勉強は、もう少し続けることになりそうである。