1. スクロール圧縮機
スクロール圧縮機は、図のように2つの渦巻状の部分(ラップ)によって流体を圧縮する圧縮機です。一方のラップは固定されており、もう一方のラップは旋回運動をしています。図のように、吸い込まれた流体(青)はラップが旋回運動する間に徐々に圧縮され、中央から排出されます(赤)。
スクロール圧縮機は、往復圧縮機やローリングピストン形圧縮機と比べ、圧縮が連続的に行われるため振動が小さく、圧縮機内部での漏れが小さく高い効率が得られるといった特徴があります。そのため、エアーコンディショナーやヒートポンプ型給湯器において使用されています。また、スクロール圧縮機は、逆回転させることで膨張機として使用することができます。
2. ロータリ縮機
ローリングピストン形圧縮機は、回転運動する回転子(ピストン)とシリンダによって圧縮する圧縮機です。写真の青い矢印の場所から吸い込まれたガスが、回転子が回転する間に圧縮され、左上の吐出し口から排出されます。
この圧縮機は往復式の圧縮機と比べ振動が小さく、部品点数が少ないことから小型化に向いているといった特徴があります。ロータリ圧縮機は主にルームエアコンで使用されています。
3. ベーン圧縮機
ベーン圧縮機はロータに羽(ベーン)が取り付けられている圧縮機です。ベーンはロータの回転に伴いシリンダの内壁に沿って回転します。図のように、回転によって圧縮室の容積が増大していく過程で吸気し、回転に伴って圧縮し吐出し弁から排気します。
この圧縮機は吸気ポートと排気ポートがそれぞれ2箇所ずつあり、同時に2箇所で圧縮を行っています。ベーン圧縮機は小型自動車のエアコンや、自動販売機において使用されています。
4. 斜板形圧縮機
斜板形圧縮機は往復圧縮機(レシプロ圧縮機)の一種で、図のように回転運動を斜板によって往復運動に変換して圧縮しています。斜板の角度を変えることで回転数を変えることなく流量を変化させることができることから、斜板形圧縮機は自動車のエアコン用圧縮機として使用されています。