令和2年度 研究成果

2020年7月~2021年3月

「令和2年度 流況変化に対する河川-海洋沿岸生態系の応答:狩野川水系における解明と生態系保全策に関する研究」

 

研究代表 静岡大学 理学部 教授   塚越 哲

2021.3.22

I.本業務の目的(令和2年度 委託業務実施要領より)

本業務は、FS研究の成果に基づき、出水イベントに対する狩野川河川内の生態系応答のメカニズムと撹乱に対する回復プロセスについての知見を収集する。また、河川の流況変化が沿岸生態系に及ぼす影響を調べ、両環境間における連続性の観点を踏まえた水位調節における最適条件を見出すための研究を推進する。

 

 

II.業務内容(令和2年度 委託業務実施要領より)

本年度の業務内容は次のとおりとする。

  1. 狩野川下流域の水位変動と河床形態の変化予測の高精度化を進める。
  2. 河川生態系の降雨応答を比較し、応答メカニズムと支配要因を考究する。また、出水後の生態          系の変動を追跡し、回復、復元プロセスの解明に向けた知見を集積する。
  3. 流況変化が沿岸域の生産力や生物多様性に及ぼす影響に関する知見を集積する。

 

III.結果

1.狩野川下流域の水位変動と河床形態の変化予測の高精度化を進める。

(1)流程に沿った河床材料の粒径変化

過去に計測された粒度組成のデータに、新たな計測結果を追加し、河口〜24km地点、狩野川放水路出口付近および柿田川の粒度組成の特徴を捉え,国内の他河川との比較を行った。その結果、放水路分派点より上流は典型的な粒度組成であるのに対し、下流の粒度分布はやや特徴的なものであった。放水路による直接的な影響、つまり流況調整がこうした本河川に特徴的な粒度組成と複合し、物理環境にどのような影響を及ぼすのかについてさらなる検討が必要である。観測結果の詳細について以下に示す。

・23.8km(およびその上流も同様と予想される)の粒度組成は,日本全国のセグメント1(主に扇状地区間)の組成と同じ典型的なものであり、巨礫を含み砂の割合が少ない特徴も他の新第三系の火山岩・火山砕屑岩を有する流域と類似している。

・17km〜23.8kmの粒度組成も,日本全国のセグメント2-1と同じ典型的なものである。流下と共に大粒径が徐々に減少するのは他河川でもよく見られるが、河原の下層や水中における粒径0.5-3mmの粒子の増加率は他河川よりもやや大きい。

・13.5km〜17kmの粒度組成は10-30mmを多く含み、付加体(多摩川・荒川・久慈川など)のセグメント2-2に近い。川幅水深比が小さくなるのも、付加体のセグメント2-2同様である。また、高水敷で樹林化が目立つ。こうした特徴に加え一般的に割合の少ない0.5-3mmが目立ち出す。

・9-13.5km地点付近で完全にセグメント2-2となる。ここでは0.5-3mmの割合が増加する。引き続き高水敷で樹林化が目立つ。

・0〜9km地点および柿田川の粒度分布は、0.5-3mmを主体としているが、樹林化はみられない。一方、⻩瀬川は他の火山河川同様,0.1-1mmを主体としている。

以上を図示化すると次のようになる(図1)。併せてセグメントの定義に関して、山本(1994)の表(付表1)と知花が採用している表(付表2)を示す。

図1. 河床材料の粒径から見た狩野川のセグメント2の特徴.

 

放水路下流側では、メダケを主な植物とする樹林化が進んでいること、および、狩野川の特徴として静岡県内の他河川と比べて草本類が乏しいことなどが認められた。河床構造および植生の関連についての研究を進める必要がある。

 

(2)河床材料への放水路の影響

狩野川放水路は、セグメント2-1の下流側に位置するが、これを境にセグメント2-2への遷移的な環境になる(図1)。17.0km付近の河床粒径の特徴を詳細に検討すると、粒径0.5-10mmの局所的堆積現象は20.0km付近からはじまり放水路下流の13.5-17.0kmで現象が目立ち始めている(図2)。この現象が放水路による出水時のピークカットの影響かどうか、それが河川生態系やひいては沿岸域にどのような影響を及ぼしているのかを知ることが研究の中心テーマのひとつであり、これから解決を目指す重要課題である。

図2.粒径0.5 – 10mm 粒子の堆積状況を示す.放水路下流で体積が目立ちはじめる.

2.河川生態系の降雨応答のメカニズムと支配要因の考究

(1)降水の河川への影響を予測するためのシミュレーションモデルの作成

本研究課題に対応するため、わたしたちはカナダAquanty社のHydroGeoSphere を数値シュミレーターとして採用し、シミュレーションモデルの作成に取りかかった。本モデルは、山岳地形から成るわが国の河川の水循環を考える上で特に重要度が高い地表水と地下水の交換フラックスを考慮している点で国産のGETFLOWs(例えばTosaka et al. 2020)と類似のシミュレーションモデルであるが、微地形を評価できる点で秀でており、また国際的な汎用性という観点から明らかに安定した評価を得ているものである。今年度の段階では狩野川集水域の地形に対応した平衡状態のシミュレーションをおこなった。

モデルには、流域の平均的な降水量を与え続け、長期間の計算(非定常計算)を進めて、モデル化された地形起伏や地質の水の通しやすさ(透水性)に応じた地表水―地下水の交換フラックスを算出した。地表水、地下水ともに標高の高いところから谷や低地にあつまり、次第にモデル化領域の全体がバランスした平衡状態に達している。得られた結果はこの地域の平均的な場を表していると考えられ、これを地下水位や河川水深等の観測データとの比較に用いる(図3)。

上段の図は、地上にたまる地表水の分布を水深コンターで表示したものである。推定される水深は、対数をとって数値を示す。橙色から黄色に向けて水深が深い場所であることを示し、水の集まり易いエリアであると予想される。利水状況を考慮しない段階での図であり、平野部で有意な水深が得られている。

下段の図は、地表面を通過する流れのフラックス(湧出=地下から地上への水移動、涵養=地上から地下への水移動)を表している。流域地形、地質によって水の湧きだしやすい場所と逆にしみこみやすい場所の示唆が得られる。濃い水色が地下水の湧き出しを示唆している。

ここで得られた計算値と実際の観測値との差異は、実際のフィールドを模倣できていない要因を示唆するため、ここに様々な考察や仮説立案の余地が生まれる。現時点のモデルは、三島等の人口の多い街区での水利用や、現河道の微細な形状を詳しく反映していないため、実際にはない氾濫域(水が集まりたまる場所)が計算で出現している。このような結果とフィールドで得られる様々な情報を絶えず対比させながら、現象理解を進めていくアプローチを採用し、降水量から河川水位や流速を推定する精度を向上させたシミュレーションモデルを構築する。

図3. シミュレーター HydroGeoSphere によって得られた平衡状態にあるとした場合の狩野川水系における水のフラックス.

 

(2)出水とピークカットが水生昆虫の分布に与える影響

2019年度の研究から10月の台風19号がもたらした豪雨によって、とりわけ造網型のヒゲナガカワトビケラのバイオマスに影響が出ることが見出された。出水時放水路上流側では顕著な個体数の減少が認められたが、放水路下流側ではそのような傾向は見られなかったことからピークカットの影響が推測された。流出したバイオマスの回復過程を考えていく上で、狩野川支川の避難場所としての役割を評価することが重要と考えられる。今年度はその目的に合致する水生昆虫に対し、個体群レベルで詳細に移動分散を観測する手段として有効だと考えられるマイクロサテライトマーカーの開発をヒゲナガカワトビケラを対象に行った。

BayesAss法による解析は、黄瀬川が他河川への移動において顕著であることが推察される結果が見出された。狩野川本川に対しても26.9%を占める個体群が黄瀬川由来であることが推察された。今後本手法を用いて、豪雨に伴う流況の変化が水生昆虫の分散や移動に与える影響を直接評価する。

図4.BayesAss法によるヒゲナガカワトビケラの狩野川水系における移動分散の推定.

 

 

3.流況変化が沿岸域の生産力や生物多様性に及ぼす影響

(1)河川水が沿岸の一次生産力に及ぼす影響

気候変動観測衛星「しきさい(GCOM-C)」に搭載しているSGLIセンサで得られた250m解像度の準リアル観測データ (JAXA提供)をもとに、2019年10月12日に伊豆半島に上陸し豪雨をもたらした台風19号の前後の駿河湾沿岸のクロロフィル濃度の分布を確認した(暖色が高濃度を示す.)。

同じく駿河湾に流入する富士川が日流量546万トン(平水時)に対し、狩野川は155万トン(平水時)と遙かに小さいにもかかわらず、出水時(湯ヶ島観測点690mmの降雨を観測)において河川水が沿岸海域の一次生産力(クロロフィルで示した植物プランクトンバイオマス)に及ぼす影響は狩野川において十分に大きいことが推測された。

図5.衛星画像による2019年10月の台風19号が豪雨をもたらした前後(左図:10月10日、右図:10月13日)における駿河湾沿岸のクロロフィル濃度の変化.

 

さらに、GCOM-C/SGLIの観測データをもとに、2018-2020年において狩野川流域の雨量観測所において連続雨量100mm以上が観測された13回の降雨イベントを対象に、降雨前後のクロロフィル濃度の変化から沿岸海域の植物プランクトンの見かけの比増殖速度(m, d-1)を求めた。図6は、見かけの比増殖速度を250mグリッドごとの空間平均を示したものである。大量の河川水が流入したときの沿岸の海水の流れについては慎重に検討する必要があるが、狩野川河口、および放水路出口(江浦湾、矢印で示す)とその沖合で植物プランクトンの高い増殖活性がみとめられ、その範囲は大瀬崎から駿河湾中央付近にまで広がっていた。このことから、出水に伴う狩野川からの栄養塩の供給は駿河湾の生物生産に強く影響しているものと考えられた。今後は、降雨イベントごとにプランクトンの増殖特性とその空間パターンを詳細に解析し、放水路稼働時の狩野川の沿岸海域への影響を明らかにしていく予定である。

 

 

図6. 連続雨量100mm以上が観測された

13回の降雨イベントを対象にクロロフィル

濃度の変化から推定された植物プランクト

ンの比増殖速度.

 

狩野川の流況変化がもたらす生態系影響を考える上で本川の20%に相当する流が混入する湧水河川である柿田川の影響は無視できない。2020年は7月に三島観測点において月間雨量が800mmを越える(湯ヶ島では1,1200mm超)降雨が観測され、実験を実施した8月5日は沿岸環境に多量の淡水が供給された状態にあった。現場水を用いて培養実験をおこなったところ(方法はSohrin,2019による)、柿田川がもたらす湧水(図7.赤の実線と破線)は超純水との比較(図7.黒の実線と破線)によって植物プランクトンへの増殖効果が認められるものの、低塩分(1.34‰)の沿岸水の増殖効果(図7.青の実線と破線)はそれに勝っていた。昨年度実施した類似の培養実験結果と同様に、増水時には河川水そのものの沿岸一次生産への影響が強く出る傾向が見出された。

図7.増水時の狩野川河川水ならびに柿田川湧水が植物プランクトン生産に及ぼす影響.

 

アメリカ東海岸では、ハリケーンがもたらした豪雨によって河川から供給される栄養物質が沿岸域に長期間滞留(50-180日以上)して恒常的に濃度を上昇させること(Asmala et al. 2021)が報告されている。本研究では、過去の出水イベントを対象に河川の水位変動と駿河湾のプランクトン群集のダイナミクスとの関係について、とくに放水路の稼働状況に着目しながら広域的および長期的な影響を明らかにするとともに、河川流量と流下負荷量との関係式(L-Q式)を求めて、出水時と平水時における狩野川から沿岸域への栄養塩負荷量の差異を明らかにし、さらに植物プランクトンの群集組成の変化についても沿岸一次生産への出水の影響を明らかにしていく。

 

 

(2)放水路出口、江浦湾海底堆積物環境

狩野川の流況変化が駿河湾沿岸に及ぼす影響を明らかにする研究課題の中では、放水路から直接海に供給される物質についても考察を進めることが必要であると昨年度の観測で明らかとなった。よって、 年2,3回の放水路の開放によって海に持ち込まれる物質が沿岸生態系にとってどのような意味を持つかを海底環境を対象に研究を進めた。今年度は夏期(2020年8月5日)と冬期(2021年2月26日)に観測を行ったが(表1)、冬期サンプルについては分析中のため、内容については夏期の観測結果を示す(図8)。

 

表1.狩野川放水路出口江浦湾の海底泥観測地点の環境パラメータ.上2020年8月5日、下2021年2月15日.

最も放水路出口に近い水深約2mのSt.0の底泥は、酸化的環境で黄褐色または灰褐色の砂粒から成る。およそ100m沖合に出たSt.1では水深が8mに一気に深くなり、ここからSt.3あるいは4にかけて底泥環境は還元的になる。しかしながら、底泥サンプルの酸化還元電位は2019年8月2日には-313 mVであったのに対し、2020年8月5日では-173mVと還元度合いは弱くなり、一方では植物片の腐植はすすんでいた。このことを反映してか2020年8月5日サンプルの植物片の同定は容易ではなかった。明らかになった植物片はスギ、ヒノキ、アスナロなど針葉樹の葉や、メダケの枝、ツルヨシの根茎などである(2019年8月の採取サンプルではスダジイやアカガシのような広葉樹の葉や、モミのような針葉樹、さらにイヌシデ、アセビ、ヤマハンノキの果実などもあった.)。2020年度は放水路の開放が無く、多量の陸起源からの有機物供給が無かった。このことが嫌気的堆積有機物の江浦湾海底での分布の広がりや、その分解速度などとどのように関係するか、課題が絞り込まれた。

 

嫌気的堆積物環境中の生物組成として調べた貝類はSt.1ではSt.0と明らかに異なり、アサヒキヌタレやキヌタレなど共生細菌を体内に持つことによって還元環境下での生息を可能にしている貝類が採取された(図8、方法は佐藤ほか2019)。なお、St.1からSt.3のいずれのサンプリング地点でも採取されたヒメシラトリやSt.2から多数個体が採取されたカバザクラについては、未だ共生細菌の存在についての報告が無い。遺伝子解析で共生細菌存在の可能性が見出されており、今後詳細な解析を進める。

図8. 江浦湾 放水路出口沿岸海底から採取された貝類(2020年8月5日).

 

 

堆積物中の原核生物では、硫化水素臭が強く感じられたSt.1で硫酸還元能を有するDesulfomonadalesDesulfobacteriales目の細菌の存在が遺伝子解析で示された(図9, 方法はNazina et al.2020に準ずる)。海水中には多量の硫酸イオンが含まれていることから、酸素濃度が低下する海底のやや深部に還元的な場が形成されることによって硫酸還元活性が発揮されることは容易に推測される(Fermamdes et al. 2018, Buongiorno et al. 2019)。これに対して本研究では、富栄養化が進行しておらず、酸化的環境である江浦湾海底の放水路に近い沿岸の海底表層に陸起源の有機物が堆積し、還元的な環境が形成されていることに注目する。今後、同様の黒色堆積物から成る還元的な底泥環境の広がりとその強度について、放水路による出水との関係を調べる。局所的富栄養化が進行していないかも重要な確認事項となる。

図9.狩野川河川水と江浦湾底泥中のNGS法による目レベルでの遺伝子解析結果(2020年8月13日採取サンプル).

 

(3)河口周辺の海浜環境と指標生物としての貝形虫の生態

河口付近の4地点(KR1A,KR1B,KS1,KS2;図10左)より堆積物を採集し,間隙性貝形虫類を抽出した。これまでの河川の影響の少ない海浜海岸における今までの研究から,個体数密度は粒度組成(中央粒径1㎜~2㎜が最適)に大きく依存し,夏よりも冬の方が多くなることが確かめられている(塚越 2010、田中・塚越 2017)。河口域では粒度組成が適切でも必ずしも個体数密度は高くはなく、観測した4地点では河口から最も距離のあるKS2地点でのみ一定の個体数が得られ、そこで4回の定点観測を行った。そこでは個体数が大きく増減し、特に大規模出水後は個体数が激減し、粒度組成も大幅に変更されていることが明らかになった(図10右)。他の地点ではほとんど貝形虫類が産出しないことや,KS2地点での大幅な増減は,河川の影響が沿岸砂浜の生態系にまで及ぶことが示された。

図10.狩野川河口部における間隙性貝形虫類の採集地点と個体数密度の変化.

4.まとめ

本研究は、年間降水量が2000mmを越える伊豆半島を流れる一級河川狩野川を対象に、出水イベントに対する河川内及び沿岸域における生物群集の応答からその生態系に及ぼす影響を調べ、また、回復プロセスについての知見を集積し、昭和40(1965)年に完成した放水路を活用した水位調節の最適条件を見出すことを目的としている。

2019(平成31-令和1)年度の事前研究を受けて研究に取り組んだが、今年度は新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を受け、とりわけ年度前半には野外での研究活動には大きな制約があった。また6,7月に大きな降水量が示されたものの放水路を開放するには至らなかった。おもな研究成果としては;

  1. 放水路分派点下流の17kmから5km地点で河床材料の細粒化が目立ち始める。ただし放水路分派点直上の20-18km付近でも0.5-10mmの局所的堆積現象が見られることから、放水路による55年を経たピークカットの影響かどうかについてさらなる研究が必要である。また、放水路下流側ではメダケを主とする樹林化が進んでいることと、狩野川の特徴として、静岡県内の他河川と比べて草本類が乏しいことなどが認められた。河床構造と植生の関連についての研究を進める必要がある。
  2. 河川生態系を構成する生物群集の中で出水の影響を強く受けると考えられる水生昆虫としてヒゲナガカワトビケラを対象とした個体群の移動分散、及び定着についての解析手法を確立した。また降水量の変動が河川水位および流速に与える影響について推測するためのシミュレーターHydroGeoSphereの構築作業を進めた。
  3. 狩野川河川水が駿河湾沿岸に及ぼす衛星画像を用いた解析と、現場観測を実施した。2019年の台風19号がもたらした大量の出水は、狩野川河口のみならず放水路出口の沖合においても植物プランクトンの増殖に影響したことが、プランクトンの増殖速度を算出することによって明らかとなった。増水時には、柿田川から供給される湧水の影響より河川水の植物プランクトンの増殖への影響が大きいことが培養実験によって示された。また、2019年の台風前後で見られた河口付近砂浜の堆積物の粒度組成が間隙性貝形虫のバイオマスに大きく影響する現象は、2020年梅雨時の豪雨の前後においても確認された。沿岸砂浜環境の物理的特性をも考慮して河川からの出水の生態系影響評価を進める。一方、2019年の観測から放水路出口の江浦湾沿岸に陸生植物片の未分解の宿物片が多量に含まれ得る黒色堆積物が観測され、共生細菌を持つ貝類の生息が確認されているが、その還元度合いは昨年度より弱くなっていた。堆積物の腐食が進行していることを合わせ、放水路からの物質供給との関係を明らかにすることが課題である。

 

 

 

4.文献

Asmala E, Osburn C, Paerl RW, and Paerl HW. Elevated organic carbon pulses persist in estuarine  environment after major storm events. Limnology and Oceanography Letters, 643-50(2021).

Buongiorno J, Herbert LC, …,& Lloyd KG. Complex microbial communities drive iron and sulfur cycling in Arctic Fjord Sediments. Appl.Environ.Microb.85,e00949-19 (2019).

Fernandes S, Mazumdar A, …,& Ghosh W.Enhanced carbon-sulfur cycling in the sediments of Arabian Sea oxygen minimum zone center. Scientific Reports, 8-8865 (2018).

Nazina TN, Babich TL,…,& K. Kato, Ultramicrobacteria from Nitrate- and Radionuclide-Contaminated Groundwater. Sustainability, 12 1239-doi:10.3390/su12031239(2020).

佐藤慎一・東 幹夫・松尾匡敏・大高明史・近藤繁生・市川敏弘・佐藤正典(2020)

諫早湾干拓調整池における水質・底質ならびに大型底生動物群集の経年変化.日本ベントス学会誌,74巻2号,115-122

Sohrin, R. Nutrient concentration in natural waters from Mt. Fuji to the Suruga Bay.in Green Science and Technology, Park et al. eds., Chapter7(2019).

田中隼人・塚越 哲(2017).海浜間隙環境に生息する貝形虫の多様性と進化.遺伝,71(4): 339-346.

塚越 哲(2010).間隙性動物の多様性−貝形虫類を例に−.タクサ,28: 4-10.

Tosaka H, Yoshida T, Fukuoka Y, Tawara Y, and Kato, K. Numerical analysis of migration of nitrate ions in the groundwater system of Lake Karachai area, Southern Ural, Russia, in Kato, Kalmykov and Konoplev eds., Behavior of Radionuclides in the Environment I, p.201-219(2020).

山本晃一 著 沖積河川学、山海堂,470pp. (1994).

付表1.  (山本晃一 著 沖積河川学,1994)

付表2.(知花 未発表資料)

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