環境ホルモンの暴露が世代を超えて影響を及ぼすことを明らかにした学術論文が受理されました

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以前の研究で、ビスフェノールA(BPA)のゼブラフィッシュにおける次世代効果およびさらなる世代間悪影響を実証しました。その結果,初期世代(F0)雌雄の食餌投与による生殖腺活性,受胎率,孵化率,胚の奇形などの生殖因子への悪影響は,第3親世代(F3)まで継続することがわかりました.
今回の研究では、飼料に含まれるBPAがゼブラフィッシュにどの程度取り込まれるかを検討しました。その結果、餌に含まれるBPAは約3.5~6.8%しか魚体に取り込まれないことが分かりました。また、従来の研究よりも100倍も少ない量のBPAで、世代間影響があることを確認しました。F0に1 g/gのBPAを投与しても、卵巣や精巣の退縮が起こるだけでなく、生存率が低下し、子孫の奇形率も増加しました。その効果は、前述のようにF3世代まで継続しました。さらに、BPA処理した祖先動物の子孫の精子運動性は著しく低下し、この悪影響はF2世代まで継続しました。これらの結果から、ヒトが摂取するのと同レベルのBPAは、魚類の生殖に世代を超えた悪影響を及ぼすことが明らかとなりました。

Mst. Habiba Mostari, Md. Mostafizur Rahaman, Mst. Afroza Akhter, Md. Hasan Ali, Tomohiro Sasanami and Toshinobu Tokumoto, Transgenerational effects of bisphenol A on zebrafish reproductive tissues and sperm motilityBPA decreases zebrafish fertility transgenerationally, Reproductive Toxicology, (2021) doi:https://doi.org/10.1016/j.reprotox.2022.02.005