「世界を変える分子の創出シンポジウム」とは
「世界を変える分子の創出シンポジウム」は、分子科学・物質科学の最前線で活躍する研究者が一堂に会し、“世界を変える分子” を生み出す科学の現在地と未来像を共有する場として、2023年にスタートしたシンポジウムです。
新たな分子の創出は、医薬品や次世代の高機能材料などの開発を通じて社会の発展を支えてきました。本シンポジウムでは、分子に携わる第一線の専門家をお招きし、最新の研究成果をご講演いただくことで、本学の研究活動のさらなる活性化を図ります。
また、講演後には、立場や専門分野の垣根を越えて柔軟に議論できる交流会を開催し、新しい分子・材料創出へとつながるネットワーク形成と自由闊達な議論の場を提供します。
本シンポジウムは、故・山中正道先生が遺された研究精神と学術的ネットワークを継承しながら、大学・研究機関・企業の枠を越えた交流と議論を通じて、次の科学と社会を拓く分子の創出を目指しています。
山中正道先生 追悼と略歴
明治薬科大学の山中正道 教授(享年50)は、2024年3月12日にご逝去されました。
ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
略歴
- 1996年3月 千葉大学薬学部 卒業(中川昌子 教授)
- 1998年3月 千葉大学大学院薬学研究科 博士前期課程 修了(中川昌子 教授)
- 2001年3月 千葉大学大学院薬学研究科 博士後期課程 修了(中川昌子 教授)
- 2001年4月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
- 2001年4月 北海道大学 触媒化学研究センター(高橋保 教授)
- 2002年10月 スクリプス研究所(Julius Rebek, Jr. 教授)
- 2004年4月 静岡大学 理学部化学科 助手
- 2007年4月 静岡大学 理学部化学科 助教
- 2008年4月 静岡大学 理学部化学科 准教授
- 2020年4月 明治薬科大学 教授
主な受賞・業績
- 2009年 有機合成化学協会 東海支部奨励賞
- 2010年 ダイセル化学工業 研究企画賞(有機合成化学協会)
- 2010年 若い世代の特別講演(日本化学会)
- 2011年 静岡大学 若手重点研究者(第I期)
- 2012年 HGCS Japan Award of Excellence 2012(ホスト・ゲスト・超分子研究会)
- 2013年 静岡大学 若手重点研究者(第II期)
- 2023年 学術振興賞(日本薬学会)
山中先生は、千葉大学での学びを礎に国内外で研究を深められ、静岡大学での長年の教育・研究を経て、明治薬科大学にて教授として活躍されました。
分子科学・超分子化学・有機合成化学における多彩な業績は、学術界のみならず広い分野に影響を与え、現在も多くの研究者に受け継がれています。
山中正道(さんちゅうせいどう)について
山中正道先生は、シンポジウムの立ち上げと歩みの中心におられた存在です。先生のお名前をもじり、四字熟語「山中正道(さんちゅうせいどう)」として植村先生により紹介されました。
「山の中で迷っても正しい道を見つけ出す」
—転じて、どんな困難があっても最後には正解にたどり着く、という意味。
研究においても人との関わりにおいても、迷いながらも本質へ辿り着き、周囲を前へ進めていく先生の姿勢と生き方を象徴する言葉として描かれています。
