高分子のリサイクル

新しい繊維・高分子の合成から廃棄・リサイクルまで

現在、あらゆる分野で、様々なプラスチック(高分子、繊維)活躍している。しかしながら最近では環境負荷の大きい材料、またダイオキシン発生源、環境ホルモン使用品として嫌われものでもある。果たしてそんなに問題なものなのか? 我々の生活にプラスチック製品がなかったら、衣食住の全てが100年前に戻ることを意味し、現在の日常生活が成り立たなくなる。実際それは不可能なのである。また環境負荷 (廃棄、燃焼) については、個人の責任によるところが大きいし、石油の使用に関しても燃焼 (発電) 用に比べれば1/10程度である。ダイオキシンについては、塩を含んだ有機物を低温で燃やせば少なからず発生するのであってプラスチックのみが悪いのではない。さらに環境ホルモン様物質の使用については、最近ではかなり厳しく制限されている。

世間で言われているほど悪者でないプラスチックの「正しい知識」をもち、これを利用して生活をエンジョイしよう。(CDだってMDだってみんなプラスチックだ) ここでは一般のプラスチック製品の知識と我々が行っている新しい材料を紹介する。

プラスチックとどう付き合えばよいのか?

プラスチックをどのように使い、どのようにリサイクルすれば世の中のためになるのか? 現状では、必要最小限に使用し、元の原材料へ戻すと言うのが基本である。ただし、汚れ劣化の条件により、例えば高炉還元剤 (鉄の還元/燃焼) に使用している。また容器包装リサイクルや家電リサイクル法により使用される高分子自体非常に限定されてきた。現在、包装容器等には、リサイクルマークともにPE (ポリエチレン)、PP (ポリプロピレン)、PET (ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)、PA(ポリアミド) の略字の記されたものがほとんどである。

したがって、これらの高分子の性質を知って いれば非常に役に立つ。例えば、PE、PPは水に浮き、良く燃え、PET、PS、PAは水に沈み、黒い煙を出して燃える (特にPSは顕著) 等である。建築材料として多くのプラスチック、特にポリ塩化ビニルが使われている。ダイオキシンの発生源として有名であるが、難燃性/安定性/加工性 (火災被害は重要) のどれを取っても、他の材料に変えられないのが現状である。したがって、プラスチックを扱う人がある程度の知識を持って対処しなければならない。一般の人、職人や廃棄物業者の教育と法規制しかない。

研究対象としての高分子

繊維やプラスチックは、主に力学的用途に使用されることが多い。例えば、強度は理論値の1/10以下。これをどこまで上げられるかで、金属の代替も視野に入ってくる。これは大きなテーマである。また、なぜ粘着するのか、なぜある種の高分子は耐衝撃性があるのか等、未だに解決していない問題が多くある。

私共の研究室では、まだ明らかになっていない問題を解明することで、新規高分子材料 (プラスチックス、繊維、ゴム) の合成または既存の高分子材料の新しい改質を行っている。例えば、新しい機能を持つ高分子、(電界で変形する高分子、電界で光を制御する高分子、刺激を感知する高分子、水蒸気で発熱する高分子、周囲の環境によって構造を変える表面を持つ高分子等) 役に立つ高分子 (石鹸のいらない繊維、暖かさを保つ繊維、粘着剤、沈み込のないアスファルト、 超音波を発生する高分子、定着性の良いインクジェット紙等)分子リサイクル (油脂を使った分解: 我々が開発した新リサイクル法で廃プラスチックと廃油から機能性中分子やアスファルトをつくり利用するというもの 下の写真参考)

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