自己紹介

竹之内裕文 TAKENOUCHI HIROBUMI

1967年生まれ。静岡大学農学部・創造科学技術大学院・教授

専門は哲学・倫理学・死生学。

東北大学理学部(数学科)入学直後に父と死別する。父の死、そして自分自身の死とどう向き合うかと苦悩しながら、重度障害者の自立ホーム「ありのまま舎」(現「仙台ありのまま舎」)にボランティアとして通い始める。それ以来、故阿部恭嗣氏(2008年逝去)と約20年間にわたって交友関係をもつ。

理学部数学科卒業後、「死の練習」という言葉に惹かれ、文学部哲学科に学士編入学する。岩田靖夫教授の指導のもとハイデガー哲学と格闘しながら、博士前期課程、後期課程へ進学する。1996-7年、フンボルト大学に公費留学する。2002年7月、東北大学大学院文学研究科より博士(文学)を授与される(博士論文『ハイデガー哲学とキリスト教 初期の宗教現象学をめぐって』)。

2002年秋、清水哲郎教授の主宰する研究会で故岡部健医師(2012年逝去)と出会い、翌春からタナトロジー研究会を共に立ち上げる。それと同時に看取りの現場に入り、死生学研究に着手する。

在宅緩和ケアスタッフ(医師、看護師、ヘルパー)とともに患者宅を訪れ、患者・家族と対話するようになる。なかでも農家の老人たちとの出会いを通して、「生」、「死」、「土地」、「自然」の問題連関に導かれる。

「生」と「死」を「土地」のうちに、さらには「自然」の営みのうちに置き入れるという課題に直面し、農村や白神山地(目屋マタギ)を訪れるようになる。2007年4月、静岡大学に准教授(農学部・創造科学技術大学院兼任)として着任し、2010年4月から同教授。

2008年にダウン症の息子を授かり、2011年4月から1年間、スウェーデンで在外研究生活を送る(スウェーデン・ボロース大学客員教授)。対話する社会に魅せられて、帰国後に静岡で哲学カフェ(2013年)、死生学カフェ(2015年)、政治カフェ(2018年)、哲学対話塾(2019年)を創設する。

2019年1月から、終期末の諸課題をめぐる英日国際共同研究(MITORI PPROJECT研究代表者・グラスゴー大学David Clark)に共同研究者として参画している。

 

編著書

『どう生き、どう死ぬか――現場から考える死生学』(岡部健・竹之内裕文編著、弓箭書院、2009年)、『七転び八起き寝たきりいのちの証――クチマウスで綴った筋ジス・自立生活20年』(阿部恭嗣著、竹之内裕文編、新教出版社、2010年)、『喪失とともに生きる――対話する死生学』(竹之内裕文・浅原聡子編著、ポラーノ出版、2016年)、『農と食の新しい倫理』(秋津元輝・佐藤洋一郎・竹之内裕文編著、昭和堂、2018年)、『死とともに生きることを学ぶ 死すべきものたちの哲学』(竹之内裕文著、ポラーノ出版、2019年)。

主な共著書

『哲学の問題群――もう一度考えてみること』(麻生博之・城戸淳史編著、ナカニシヤ出版、2006年:「死」「愛」「幸福」の章)、『高齢社会を生きる――老いる人/看取るシステム』(清水哲郎編著、未来を拓く人文・社会科学シリーズ、東信堂、2007年:第4章「看取りの文化」の再構築へむけて――「間」へのまなざし)、『岩波講座哲学08 生命/環境の哲学』(清水哲郎編、岩波書店、2009年:テキストからの展望)、『安楽死問題と臨床倫理』(日本臨床死生学会監修、石谷邦彦編、青海社、2009年:なぜ、パリアティブ・セデーションなのか)、『ヒューマン・エコロジーをつくる――人と環境の未来を考える』(野上啓一郎編、共立出版、2010年:第5章 問いとしてのヒューマン・エコロジー:環境と倫理をめぐって)、『シリーズ生命倫理学・第4巻 終末期医療』(安藤泰至・高橋都編、丸善出版、2012年:第8章 「自然な死」という言説の解体――死すべき定めの意味をもとめて)、『北欧ケアの思想的基盤を掘り起こす』(浜渦辰二編著、大阪大学出版会、2018年:第4章 人間的な生の拠り所としての「ホーム」――在宅(home)ケアの哲学的な基盤をもとめて)、Routledge Handbook of Well-being, edited by Kathleen T. Galvin, Routledge, 2018; Chapter 4. Dwelling in the World with Others as Mortal Beings, “Well-being” in post-disaster Japanese society.