研究室について

森林防災工学研究室・砂防学研究室

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研究室概要

近年、全国、全世界で土砂災害による被害が頻発しています。その例として、令和3年に静岡県熱海市で発生した大規模土石流や平成30年に広島県東部で発生した土砂災害、平成29年九州北部豪雨に伴う災害などが挙げられ、土砂災害への対応の必要性が増しています。

このような状況の中で、私たち”森林防災工学研究室””砂防学研究室”では、

  • どうして山が崩れるのか?
  • 土砂災害をどのようにして防ぐことができるのか?
  • 土砂移動が発生するときその内部ではどんなことがおこっているのか?
  • 森林は土砂災害の防止に効果があるのか?
  • 新たな手法を活用することで調査困難な山岳地での土砂移動を調べられないか?

といった調査を行っています。

研究内容

崩壊現頭部において土石流発生のメカニズムや特徴、森林における土壌侵食についての現地調査を行っています。 また、ドローンやGISを使用して地形変化を解析しています。

現地調査に加えて、室内実験にも取り組んでいます。室内実験では特に、”天然ダムの決壊過程””土石流”が流下していく際の流動形態や水圧変化などを実験水路を用いて研究しています。

    先輩方の卒論・修論テーマ

  • 森林での林床植生被覆の違いが地表流・土砂の移動量に与える影響
  • 大井川上流域における斜面崩壊地の推移と発生場の特徴
  • 水源域における大規模崩壊地を含む流域と森林流域の流出比較
  • 森林伐採や植栽の影響を加味した土砂生産予測に関する研究…etc

調査地

  • 大谷崩

例年、土石流災害が多発している日本では土石流対策は重要な課題となっています。日本三大崩れの一つである大谷崩では、水圧計やタイムラプスカメラ、ビデオカメラ、点群データ、ドローンなどを使った土石流の観測を行っており、その実態解明に努めています。

  • 天竜フィールド

森林内における土壌侵食は森林の水源涵養機能の低下や、森林生態系の劣化、下流の水質汚濁など、森林の機能や周辺生態系に大きな負の影響を与える要因の一因となっています。本研究室では、静岡大学天竜フィールドの森林を対象に現地観測によって土砂移動要因について研究を行っています。

 

  • 南アルプス

日本アルプスは脆弱な地質・急峻な地形・台風や梅雨前線などの気候的要因から、多くの地すべりが発生しています。これらの地すべりは河川に継続的に供給され、ダム貯水池に大量の土砂が堆積するなどの問題を引き起こしています。この研究サイトでは、大井川流域における土砂供給プロセスと土砂供給速度を明らかにするため、UAVを使用し地形の経年変化を調査しています。

実験室

  • 天然ダム決壊

大雨や地震時に河道沿いの斜面が崩壊し、その崩壊した土砂が谷を埋めると、天然ダムが形成されます。天然ダムの8割は1ヶ月以内に決壊に至ることから、決壊に伴う大規模な洪水流出を事前に予測する必要があります。そのため、小規模な水路実験により天然ダムの決壊過程を解明し、その決壊過程と洪水流出過程を予測できる手法の開発を行っています。

  • 土石流の発達

大谷崩一の沢のような急勾配渓流における土石流の発達過程は未解明な点が多く、その予測法は確立されていません。本研究では、小規模な水路内で土石流の発達過程を模擬する実験を行っています。この実験を通じて、土石流の発達過程を解明し、その過程を再現できる数値モデルの開発に取り組んでいます。

メンバー

    • 教員:2名(今泉先生、高山先生)

(今泉先生の個人hpはこちらから)・(高山先生個人に関してはこちらから)

  • 修士:5名(M2:3名、M1:2名)
  • 学部4年:6名
  • 学部3年:現在振り分け中

主な就職先

  • 民間建設コンサルタント
  • 県・市など地方公務員(林業・土木)
  • 国家公務員(林野庁・国交省)
  • その他

連絡先

ご質問やご相談がございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。研究室に直接来てもらっても大丈夫です!

  • 〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 静岡大学農学部
  • imaizumi at shizuoka.ac.jp
  • takayama.shoki at shizuoka.ac.jp