憲法って何?

 あなたは自分のことを大切に思っていますか。きっと誰もが自分のことを大切に思っていることでしょう。でも、あなた一人だけでは、あなた自身を大切にすることはできません。あなたと同じように、自分を大切に思っている他の人の協力が必要です。
 憲法というものは、自分を大切に思っている人同士が、たがいに協力しあって自分のことを大切にしようということを目的として結んだ約束なのです。
 自分を大切にしたいという願いは、誰もが持っているものです。だから、あなたが自分自身を大切にしたいという願いを他の誰かが奪ったり、押しつぶしたりすることは許されません。誰もが自分自身を大切にする権利を持っているのです。すべての人が自分自身を大切にする権利を生まれながらに持っているのです。この権利は、誰もが生まれながらに持っている権利で、他の誰かから与えられた権利ではありませんから、誰も奪うことはできません。このようにすべての人が生まれながらに持っている権利を人権と言います。
 人権とは、誰であっても、自分自身のことを大切にする権利、言い換えればわたしのことはわたしが決める権利です。皆さんが聞き慣れた言葉で言えば、「わたしの自由」です。
「わたしの自由」をみんなで守ろうという約束が憲法なのです。

(子ども向けに書いた文章の草稿です 笹沼弘志)

h.sasanuma
憲法学、人権理論の研究を専門としています。