はじめに

大学の授業は単位制です。これは履修した授業科目の試験などに合格するとその科目の単位を取得でき、所定の単位数を取得すると卒業が認定されるシステムです。

静岡大学理学部数学科のカリキュラムは、数学を専門とするのであれば教育者・技術者・研究者など、どのような道に進む場合にも必要な「数学の基礎」の知識と技術をしっかりと身に付けることができるように編成されています。勉学の環境としては最良のものが用意されていますが、学業成就のためには個々の学生諸君の努カが必要なのは言うまでもありません。

また理学部ではさまざまな資格取得プログラムが用意されていますが、数学科では中・高等学校教諭一種免許状(数学)を取得できます。

カリキュラム紹介

カリキュラムツリー

3年次までの数学の必修科目で、数学の伝統的分野である解析学、代数学、幾何学や数理論理学の基礎的内容を学習します。4年次には各人が興味を持つ数学の一つの分野を、「数学卒業講究」で、少人数のセミナー形式で教員の個人指導のもと深く掘り下げて学びます。「数学卒業講究」は、数学の在り方や学問に対する姿勢を学ぶことのできる日本が世界に誇る大学教育・少人数教育の極致です。

数学科専門科目の一覧を、カリキュラムツリー (2020年度入学生向け)からご覧いただけます。以下、個別の授業について紹介いたします。より詳しいことは、静岡大学シラバスからご覧いただけます。

1・2年次の数学科専門科目

授業科目 内容
集合と論理 数学の基本となる集合とその基本演算、命題と論理演算について学ぶ。
微分積分学A〜D
微分積分学演習I〜II
微積分の厳密な取り扱いを学ぶ。
極限・収束の概念、実数論、無限級数から始め、多変数関数の微分、積分まで学ぶ。
線型代数学Ⅰ〜III
線型代数学演習Ⅰ〜II
連立一次方程式、行列式、ベクトル空間、固有値間題を含む行列の標準形などを学ぶ。
集合・位相
集合・位相演習
現代数学では欠かすことのできない集合や位相の概念について(初めて)学ぶ。
代数学入門
代数学入門演習
群、環、体などの代数系の概念について第一歩から学ぶ。
位相数学入門 集合・位相および集合・位相演習から引き続き、距離空間や位相空間について学ぶ。
実解析学入門 現代解析学の基礎を構成するルベーグ積分論を学ぶ。
関数論入門 複素数の世界での数学、複素関数について第一歩から学ぶ。
数理論理学 数理論理学の基礎となる古典論理について学ぶ。

1・2年次は、高校数学から接続する形で、現代数学を学ぶための基礎となる科目を徹底的に学びます。演習のついた科目も多く、演習問題を解くことで、講義で学んだ内容の理解を深めることができます。

3・4年次の数学科必修専門科目

授業科目 内容
代数学 代数学入門に引き続き、群・環・体の基礎理論を学び、ガロアの理論(代数学Ⅰ)へ展開する。
幾何学 現代数学の研究対象である微分可能多様体の基礎知識を学ぶ。
実解析学 実解析学入門に引き続き、現代解析学の基礎を構成するルベーグ積分論を学ぶ。
複素解析学 複素解析学の中心をなす有理型関数と等角写像の理論を学ぶ。

3年次になると、必修科目群とそれぞれの興味と目標に応じて選択する選択科目群に分かれます。上記の必修専門科目は3年次で履修します。選択科目は開講に応じて3・4年次で合わせて10科目以上を選択します。またこれらをべ一スにして、他大学から招いた講師による集中講義も適時展開されます。

数学科専門科目以外の授業科目について

数学科専門科目の他,必修科目としての共通科目(総合科目、外国語など)、選択科目としての共通科目、理学部の他分野の科目を学ぶ専門科目(基礎)、および自由科目を履修して、単位数の合計が124以上となるよう取得すると卒業が認定されます。また、教員免許の取得を希望する場合は、教職科目も履修することになります。単位計算の詳細は、進級基準及び卒業要件単位数からご覧いただけます。