「48VDC/300A回路内で発生する開離時アーク」

・学生の皆さん自身で装置を作り、改良し、まだ解明されていない放電現象の性質を解明することを目的としています。

 自動車の燃費改善のために駆動系の電動化が普及しています。マイルドハイブリッドシステムとして低コストで電動化できる直流48V系回路の採用が急拡大しており,300A程度の大電流が使用されています。その回路を電気接点対で遮断する際には激しいアーク放電が発生します。本研究室では、48VDC-300A回路を電気接点対で遮断する実験装置でアーク放電を発生させ、その特性について研究しています。
上の画像は放電発生前の電気接点対の様子です。固定陰極と可動陽極を接触させた状態で通電し、可動陽極を画面の右側に引き離して放電を発生させます。48VDC-300A回路を遮断したときに発生するアーク放電の様子を通常のビデオカメラで撮影した結果を示します(撮影に協力してくれた大学院生の矢崎さんに感謝します)。

このように激しい発光を伴う放電が発生します。しかし、現象の発生時間が短すぎて、放電形状の変化や拡大範囲は確認できません。そこで、高速度カメラを用いて放電の様子を水平方向から撮影した1コマを次に示します。

接点間でアーク放電が発生していることがわかります。アーク放電の発生から消弧までの様子を高速度カメラで撮影(10,000コマ/秒)した結果を次に示します。

 アーク放電が上方に伸びて消弧に至ることがわかります。この画像を解析することにより、アーク放電の拡大範囲だけではなく、アーク長さの時間変化を求めることができます。今後は磁気吹き消しなどの消弧手法の適用により短時間でアーク放電を消弧させたり、300Aよりも大きな電流を通電し、その特性を解明する予定です。

 

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