イベント名:一生涯の健康づくりin静岡大学
日  時 :①令和6年度9月17日(火) 18:00~20:00
②令和6年度9月24日(火) 18:00~19:30
③令和6年度10月1日(火) 18:00~19:30
④令和6年度10月8日(火) 18:00~19:30
⑤令和6年度10月15日(火) 18:00~19:30
場  所 :静岡大学(教育I棟213実験室、学環棟203室、体育館2階フロア)
参加者人数:男性8名(学生2名) 女性6名(学生1名) 計14名
学生補助 :男性6名 女性9名 計15名

【イベントスケジュール】
本イベントは全5日間で実施した。
①体力測定会
18:00 受付開始・健康チェック
18:10 イベントの概要説明
18:20 健康づくり・体力テストに関する情報提供
18:40 体力測定開始
20:00 イベント終了

②ニュースポーツ体験会
18:00 受付開始・健康チェック
18:10 当日の内容説明
18:20 ウォーミングアップ
18:40 ウォーキングフットボール体験
19:30 イベント終了

③学内ウォーキング
18:00 受付開始・健康チェック
18:10 ノルディックウォーキングの紹介
18:20 学内ウォーキングコースの紹介
18:30 学内ウォーキング
19:30 イベント終了

④静大でパーソナルトレーニング
18:00 受付開始・健康チェック
18:10 大谷・小鹿ウォーキングコース動画の紹介
18:20 当日の内容説明
18:30 パーソナルトレーニング
19:30 イベント終了

⑤体力測定会
18:00 受付開始・健康チェック
18:10 ウォーミングアップ
18:20 体力測定開始
19:15 結果のフィードバック・アンケート
19:30 イベント終了

【イベントの目的】
本イベントは、静岡大学におけるスポーツ資源を活かしウォーキングや様々なスポーツ活動の拠点として情報提供やサポートを目的とする「ウォーキング&スポーツステーション(WSS)」を活用した健康教室であり、大学が誇るスポーツ施設の利用や学生との活動を通じて地域の方々の健康意識の向上を目指した。

【イベントの内容】
イベントは静岡大学(杉山研究室)が開催し、講師は静岡大学健康体育非常勤講師の高宮佳祐(筆者)が担当した。イベントの目的にも記載した通り、本イベントでは学内の施設や情報、人材を地域の方々に活用してもらいそれぞれの健康意識を向上させるために、週一回、一か月間に渡るイベントを行った。

①体力測定会
自らの体力を知ることの大切さを感じてもらうため、健康に関する情報提供や体力テストに関する講義を行った後、体力テストを行った。体力テストは、握力(上肢筋力)、立ち上がりテスト(下肢筋力)、長座体前屈(柔軟性)、10m障害物歩行(敏捷性)、開眼片足立ちテスト(平衡性)に加えて、6項目でチェックする歩行テストの合計6テストを実施した。また、身体組成を測定し自身の体重や体脂肪、筋肉量などのチェックを行った。本イベントを通して、それぞれの体力が日常生活で担う役割や、テストの世代別平均値、体組成の見方などをまとめたポスターが常に閲覧できるようになっており、ポスターを見ながら補助学生とコミュニケーションを取り、自己の課題や、特徴を参加者が見直す機会となった。さらに第五回目に同様の体力テストを行うことをアナウンスしてあり、一か月間の目標を定めることができた。

②ニュースポーツ体験会
ニュースポーツ体験会では、ウォーキングフットボール(WF)体験を行った。WFは2010年頃より、高齢者でもプレーできるサッカーとして普及されている。今回はニューススポーツを知ることや、より楽しく運動ができる方法としてWFの実施することとした。本イベントにおいては、高齢男性、40代女性、男子大学生が一緒にプレーでき、インクルーシブスポーツとして十分楽しむことができた。そうなった背景としては、ウォーミングアップにてチーム対抗でボール慣らし運動を含んだリレーを行ったことで、チームメイトの体力や技能を把握できゲーム内での手助けや配慮を生み出しやすかったことが考えられる。また、ゲームに参加した補助学生はスポーツを皆で楽しもうとするフィジカルリテラシーが高く、高齢者や女性のレベル感に合わせてゲーム作りに参加したことも要因だと考えられる。

③学内ウォーキング
本年度、WSSでは大学をより運動しやすい環境にする仕掛けとして静岡大学の学内環境を利用したウォーキングコースを2コース作成した。コースマップにはAEDやトイレ、冷水器、自動販売機、ベンチ、休憩ポイントなどが記載されており、安全にウォーキングするために必要な情報が満載である。本イベントではそのコースを用いてノルディックウォーキングを行った。Aコースは距離2.7km、所要時間は35分、Bコースは距離3.7㎞、所要時間50分、となっており、参加者が自らの体力レベルに応じてどちらかを選んでウォーキングを行った。参加者同士でコミュニケーションをとりながら学内を散策した。標高30~80mの間を数回上り・下りしたが、「ノルディックポールを用いながらの歩行であったためなんとか歩ききれました」という参加者の声もあった。

④静大でパーソナルトレーニング
当初、第四回目は、静岡大学の位置する大谷・小鹿地区周辺でのウォーキングを実施する予定であったが雨天により内容を変更し、屋内で可能な運動を行った。パーソナルトレーニングを行うにあたり、個人のニーズに応じたトレーニングを提供することを目指し、参加者二人につき一人の専攻学生が付き添いアドバイスや指導を行った。また、スポーツ科学を専門とする研究室の保有するトレッドミル、エアロバイク、スミスマシン、光電管を用い、筋力トレーニングやコーディネーショントレーニングを行い、大学だからこそできるパーソナルトレーニングを実現できた。

⑤体力測定会
第五回は一か月間の総まとめとして、初回に行った体力テストを再度実施した。一か月前の体力測定から自己の課題解決に向け運動している参加者の方もおり、記録の向上が見られた。また、第五回目ということもあり、学生とのコミュニケーションも多く、一緒に記録の向上を目指している様子も見られた。

【イベントを通して】
本イベントは、WSSという学内を運動・スポーツ活動の拠点とするという初めての試みであり、そういった状況の中で合計14名の参加者の方が参加してくれたことは大きな一歩であると考える。参加者の方からは「楽しい時間で、身体だけでなく、精神的にも若返った。」「継続して行うことの大切さを感じた。」「高齢者でも参加できる機会であった。」などといったコメントをいただくことができ、本イベントを楽しみ、運動の大切さを感じてもらうことができただろう。また、本イベントに参加してから、日ごろの運動時間が増加した方もおり運動の継続を促すことができた。週一回、一か月間の活動であるものの大学内での健康に関する情報提供、学内施設の利用、学生とのコミュニケーション、専門の機器を用いた運動等のきっかけは、静岡大学のスポーツ資源を利用して地域の方々の健康意識の増進に効果的だと考えられる。一方、「居住地域の近くでも活動を行ってほしい」など、まだ大学まで赴いて運動するハードルの高さはあることも感じられた。そこで地域の公園や公民館などを用いてWSSのサテライトをつくり学生や教員が出張して活動を行うことも効果的であると考えられる。今後は、静岡大学のWSSを周知・活動を継続することに加え、サテライトでの活動を構想し大谷・小鹿地区の健康意識の向上に努めていきたい。