【スタッフ活動報告】教育・アウトリーチ部門 板倉美奈子教授

去る11月19日(土)に「COOL CHOICE 2022 in しずおか~みんなではじめる、エコな選択~」(静岡鉄道株式会社・しずてつジャストライン株式会社主催)が静岡市内にて開催されました。メインイベントの一つである「ゼロカーボン提案発表会2022~静岡市の未来を切り開け~」に本学学生3名が参加し、カーボンニュートラル実現のための取組みを提言する発表を静岡市に向けて行いました。イベントに関する報道発表資料(静岡市)

この会では、静岡市長、静岡鉄道株式会社社長などの臨席者に向けて、市内の5高校からの高校生150名とともに、本学学生3人を含む大学生10名が、3チームに分かれて、市民向けの教育啓発イベントの開催、フードロス削減のための売れ残り食品対策、企業と市民との協働による取組みなどを提言するプレゼンを行いました。この大学生10名は6月から静岡市環境創造課が主催して行われた脱炭素学生ワークショップに参加し、脱炭素について専門家や行政・企業の方たちから学んできました。このワークショップ開催にあたっては、当センターの板倉教員が本学における担当者として協力しました。[ワークショップに関する投稿記事もぜひご覧ください:HPFB

 

 

≪ここではこのワークショップから始まり、今回の発表会まで参加したMくん(地域創造学環1年生)の体験レポートをご紹介します≫

1. 準備
 今回の脱炭素ワークショップは全3回開催されました。第1回ではチーム分けとチーム内での軽いコミュニケーション、KJ法を用いたアイデア出しが行われました。第2回では第1回で出された意見の中から具体化したいアイデアを一つに絞り深掘りを行いました。第3回では考えてきたアイデアをプレゼンテーションの形に落とし込み、全体で共有しました。
 第3回ワークショップの終了から発表会本番までおよそ1ヶ月の間がありました。その間にアイデアのブラッシュアップのために、市役所や静岡鉄道の担当者の方たちとの相談会がチームごとに行われ、プレゼンの内容やプレゼンのやり方などについてきめ細かな指導をしていただきました。

2. 発表会本番
 発表会本番ではまず高校生、次に大学生が発表を行いました。この会には田辺静岡市長をはじめ、静岡鉄道株式会社 川井社長や静清信用金庫 佐藤理事長、環境省脱炭素ライフスタイル推進室 井上室長が臨席され、その前で高校生は5チーム、大学生は3チームの合計8チームが制限時間10分の中でプレゼンテーションを行いました。
 最初に行われた高校生の発表は、どれも高校生ならではの柔軟なアイデアをもとにしたものが多く、大学生である我々にとっても大変勉強になるものでした。なかでも突出していたのは、私立静岡サレジオ高等学校・中学校の発表で、彼らは報告会と同時刻に開催していたイベント会場と中継を繋ぎながら報告をしており、このイベント自体のアイデアにも、報告の仕方にも感服させられました。
 続いて、大学生チームは、「輪茶子さん」「Shizuoka Day by day Green systems(SDGs)」「FOODLOSSTUDENT」の3チームが出席しました。これらのチームのメンバーは同一の大学の学生によって組織されているものではないため、学生にとっても異なる大学の異なる学年の人とのチームアップにより得ることができた経験値は大きいものでした。最後には田辺市長らからのコメントをいただき、今回発表された様々なアイデアや意見などの提言に対し前向きなお返事がありました。

 イベントを通して脱炭素ということを常に考えてきたわけですが、その方法は実に多岐にわたるのだと再認識しました。私たちのグループは教育を介して長い目で脱炭素を目指していくものでしたが、他のグループでは新しいシステムによる脱炭素など実現の可能性が高いと思われるようなアイデアもありました。また、ワークショップでは静岡市や静岡鉄道の方たちに常に並走していただき、アイデアをまとめていったのですが、今回のように大人の方や現場で活動している方とともに考えていくことは、大学の中だけでは経験できないことであったため、このような機会をいただけたことに感謝しています。