生物資源高度化利用部門

地球温暖化に対応した食糧・物質生産技術の構築

現在問題となっている地球温暖化により異常気象が発生し、それに伴い生態系の崩壊が起こっています。本部門ではこれらの問題に対応すべく、地球温暖化の主たる原因となっている化石資源依存型の社会の脱却に向けたバイオリファイナリー技術の確立、さらには、温暖化が進む環境下における食糧生産技術の確立を目指します。

所属スタッフ

部門長 平井 浩文
スタッフ 原 正和笠井 敦

 

センタープロジェクト

未利用バイオマスを原料としたバイオ燃料及びプラスチック原料生産技術の構築
責任者  平井 浩文
研究概要 地球人口が急激に増加し、地球温暖化が深刻化する現代において、未利用バイオマス等の非可食性バイオマスを原料としたバイオリファイナリー技術の確立は、避けては通れない、極めて重要な課題である。これまでに当グループでは、白色腐朽菌を用いたワンステップ木質バイオリファイナリーに関する研究を展開してきており、木材中セルロースよりエタノール、乳酸、酢酸、キシリトール、水素を産生可能であることを報告している。この過程でリグニンは利用されず分解されているだけであるが、低炭素循環型社会の構築に向けて、ゼロエミッションを達成することも、極めて重要な課題である。 そこで本課題では、白色腐朽菌を用いたリグニン系リファイナリー技術の構築を目標に検討を行う。
関連するゴール

 

植物の環境ストレス適応能を向上させるバイオスティミュラント化合物の探索と応用
責任者 大西 利幸(農学部)
研究概要 気候変動における農作物生産環境の劣化や,開発途上国における人口増加に伴い,安定的な食料供給の仕組み作りが求められている。2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核である「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs) において,「2. 飢餓をゼロに」や「13. 気候変動に具体的な対策を」が達成目標として掲げられている。しかし,気候変動に伴う環境ストレス (乾燥,気温,病害虫など) が深刻化しており,農作物の生育障害や品質低下を引き起こし,生産農家の経済的困窮を招いている。植物の環境ストレス耐性,具体的には耐寒性,耐暑性,病害虫耐性など向上させる方法として,i) 育種 (遺伝子資源の開発),ii) 肥料 (植物栄養の供給),iii) 農薬 (病害虫や雑草の管理) が主流であった。これら3つに加え,近年,気候変動に伴う非生物的ストレス (乾燥,急激な温度変化) に対する耐性を向上させるバイオスティミュラント剤の利用や開発が進んでいる。本研究は,グループメンバーが独自に構築してきた植物ホルモン・アブシシン酸を制御する低分子や植物の防御活性を向上させる揮発性化合物をプローブとして,農作物に耐寒性,耐暑性,乾燥耐性を向上させるバイオスティミュラント剤の探索と開発に取り組み,その作用機序を明らかにすることを目指す。
関連するゴール

 

ケイ酸質肥料のマネージメントによる植物の頑健性の向上
責任者 一家 崇志(農学部)
研究概要 食糧問題を解決するためには、限りある資源を有効的に活用し、作物生産性を維持・向上させることによる収量の確保が必要であるが、その達成は困難を極める。現在の農業生産の現状を打破し、地球上の有限な資源を効率的に利用できる低投入持続型農業を実現するためには、植物の状態を素早く把握し、作物生産に必要なエネルギーコストバランス (例えば化学肥料・農薬の使用量、タイミング、環境への負荷、労力など) の制御と最適化が必要である。これを達成するためにも、生育段階における定期的な品質および病害虫抵抗性などの生育診断評価手法を開発しなければならないが、症状発現前の品質やストレスを正確に評価するための指標の設定と破壊的な試験が必要であり、過大な労力とコストがかかる。
本研究では、①減農薬・無農薬栽培、②作物の栄養吸収・利用効率の向上、③肥料流出による環境汚染防止、④耕地生産力の持続、⑤環境変動による作物生に関連性が高く、植物の有用元素であるケイ素 (Si) 栄養に着目し、栄養吸収メカニズム、光合成活性能力の増強、病害虫の食害 (侵食) 指標に対するモデリングについて、簡易的かつ非破壊による光センシング技術の適用性を評価する。
関連するゴール