論文解説

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Peer-Reviewed Articles (査読のある論文)

  • Wallis et al., 2019, JGR

Tasaka et al. (2016JGR)で行った含水かんらん石多結晶体の高歪ねじり実験の試料、キンバライト起源のかんらん岩を用いた詳細な結晶方位解析を行い、かんらん岩が含水下で変形する際に2つのすべり系が発動する機構を議論し、結晶方位分布から予想される地震波異方性を予測した。

  • Pommier et al., 2018, CMP

ねじり実験で得られた歪み量の異なるかんらん石多結晶体変形試料を用いて電気伝導度測定を行った。これらかんらん石の結晶方位集中度の違う3試料の電気伝導度を測定した結果、剪断面に平行な方向に速く、剪断面に垂直な方向で遅い異方性が確認できた。また結晶方位の集中度が大きいほど異方性は大きいことが分かった。

  • Tasaka et al., 2017b, JGR

かんらん石74%+輝石26%の多結晶体の高歪みねじり実験を行い、歪み弱化が起きる時の岩石組織変化を観察した。得られた岩石組織から変形に起因した物質拡散によって鉱物混合層が形成されたのではないかと提案した。実験で観察された鉱物混合層形成過程が天然でも起きるなら、これまでよりも小さな応力で、大きな歪み弱化を引き起こすことが可能となる。

  • Tasaka et al., 2017a, JGR

かんらん石74%+輝石26%の多結晶体の高歪みねじり実験を行い、歪み増加に伴い歪み速度一定の条件で応力が減少する歪み弱化の過程を実験的にとらえることに成功した。また力学データの解析から歪み増加と伴に変形メカニズムかが変化することが分かった。これはかんらん石と輝石が混ざった細粒鉱物混合層が形成されたためだと考えられる。

  • Tielke et al., 2016, JGR

歪み量の異なる、無水のかんらん石多結晶体の微細組織と力学データの解析を行った。変形実験の歪速度は、単結晶の流動則と観察される結晶方位データを組み合わせたモデルの歪速度より有意に柔らかかった。このことから、かんらん石変形には粒界すべりが重要な役割を果たすと議論した。

  • Tasaka et al., 2016, JGR

含水かんらん石多結晶体の高歪みねじり実験を行い、歪み増加に伴う力学特性と微細構造の変化を解析した。実験結果から、強く変形した異方的な岩石は変形していない等法的な岩石よりも1桁粘性が小さいこと、岩石の組織変化には亜粒回転による動的再結晶の影響が大きいことを議論した。

  • Tasaka et al., 2015, JGR

鉄の量の異なるかんらん石多結晶体(Mg#50, 75, 90, 100)を用いて、含水かんらん石多結晶体の圧縮変形実験を行い、鉄の量の関数としてかんらん石の流動則を求めた。その結果を火星のマントル流動に応用した。

  • Pommier et al., 2015, EPSL

鉄の量の異なるかんらん石多結晶体(Mg#90と75)を用いて、連続的に温度変化させて電気伝導度を測定し岩石溶融に伴う電気伝導度の変化を求めた。さらに、その結果を月のマントルに応用し、月のマントルにおいてかんらん石の結晶粒界に連結したメルトが存在する可能性を示唆した。

  • Tasaka et al., 2014, JGR

オマーン・オフィオライトのかんらん岩・ウルトラマイロナイトの微細構造解析・化学組成分析を行った。微細構造解析から得られた天然試料の鉱物量比-粒径の関係は、粒成長実験の結果[Tasaka&Hiraga, 2013]とよく一致した。そこで姉妹論文[Tasaka&Hiraga, 2013, Tasaka et al., 2013]の実験から得られた粒成長則・粘性則を組み合わせて、歪み集中帯の粒径・粘性の時間発達を議論した。

  • Nishihara et al., 2014, JGR

かんらん石多結晶体を用いて高温・高圧実験を行い、拡散クリープ下における歪速度の圧力依存性を求めた。さらに、本研究で求めた圧力依存性と既存のかんらん石の流動則を組み合わせて、上部マントルの熱力学条件下で重要な変形機構について議論した。

  • Tasaka et al., 2013, JGR

かんらん石と斜方輝石の量を系統的に変化させた試料を作成した。この試料を用い、高温・大気下で圧縮変形実験を行い、鉱物量比の関数として流動則を求めた。さらに、姉妹論文で求めた粒成長則[Tasaka&Hiraga, 2013]と本研究の結果を組み合わせ、鉱物量比-粒径-粘性の関係則を構築した。

  • Tasaka and Hiraga, 2013, JGR

かんらん石と斜方輝石の量を系統的に変化させた試料を作成し、高温・大気圧下で粒成長実験を行い、鉱物量比の関数として粒成長則を求めた。実験結果は鉱物物性値(拡散係数・界面エネルギー)をパラメータとする既存の粒成長モデルに一致した。つまりこれらの物性値が分かっていれば、どの二相系岩石の鉱物量比-粒径の関係も予想できることを示した。

  • Hiraga et al., 2010, Nature

高密度・細粒なかんらん岩多結晶体を作成し、大気圧高温試験機を用いて引張実験を行い、地球科学物質で初めて超塑性変形を発現させた。さらに実験中の粒径変化から、粘性を予想するモデルを発案し、上部マントルのせん断帯や下部マントルに沈み込むスラブ内の変形に適用した。

  • Koizumi et al., 2010, Physics and Chemistry of Minerals

SiO2, Mg(OH)2, Fe2O3, CaCO3のナノパウダーを用いて、かんらん岩を作成する方法を開発した。研究で作成した試料の特徴は(1)常温でも、熱収縮によるクラックが全く含まれないこと、(2)残留ポアが0.1%を切る高緻密性を持つこと、(3)粒径が1μmを切るような極細粒子からなることである。

  • Michibayashi et al., 2009, G3

マリアナ海溝南部のかんらん岩を構造岩石学的に解析し、最上部マントルで発達した延性剪断帯が露出していることを明らかにした。また岩石学的な特徴が背弧かんらん岩に類似していることから、活発な構造浸食があることを示した。

  • Tasaka et al., 2008, EPSL

四国三波川変成帯の芋野かんらん岩体の構造岩石学的な解析を行い、かんらん石の結晶方位定向配列が高応力・含水下で変形したかんらん石に特長的なBタイプであることを示した。さらに岩石学的にこれらのか んらん岩が著しく枯渇した組成をもつ、沈み込むスラブの比較的浅部起源のかんらん岩体であることを示した。

  • Michibayashi et al., 2007, Tectonophysics

南部マリアナ海溝でドレッジ採取されたかんらん岩試料を構造解析し、岩石組織の多様性を示した。これは南部マリアナ海溝の活発なテクトニクスを反映したものであることを議論した。