1変数関数の積分の計算練習

このページでは理学部数学科1年生用の計算練習問題を掲載しています。夏休みのうちに積分の計算を復習しておきましょう。

解答例を眺めるのではなく,実際に紙に書いて取り組みましょう。高校のときの教科書や解析系科目の教科書を参照しながら解けば良いです。図書館にあるたくさんの微積分学の書籍も参考にしてください。

第1回 基礎
第2回 置換積分と部分積分
第3回 有理関数と無理関数の積分
第4回 三角関数の積分

第1回 基礎

1 次の不定積分,定積分を求めよ。

  1. 2xx3xdx
  2. sin2xdx
  3. 121(x+1)(x+2)dx
  4. 01e3x+2dx

第1回の解答例

1.
a を定数とすると,(xa)=axa1 より,xadx=xa+1a+1+CC は積分定数)が成り立つ。これを使う。

2xx3xdx=(2x12x16)dx=43x3265x56+C

2.
a を定数とすると,(cosax)=asinax より,sinaxdx=1acosax+CC は積分定数)が成り立つ。よって

sin2xdx=12cos2x+C

3.

121(x+1)(x+2)dx=12(1x+11x+2)dx=[log(x+1)log(x+2)]12=(log3log4)(log2log3)=2log3log2log4

4.
定数 a に対して,(eax)=aeaxより,eaxdx=1aeax+CC は積分定数)が成り立つ。よって

01e3x+2dx=e201e3xdx=e2[13e3x]01=e23(e31)

第2回 置換積分と部分積分

1 次の不定積分を求めよ。

  1. (ax+b)4dx
  2. x(x2+1)3dx
  3. x(ex+ex)dx
  4. xsinxcosxdx
  5. logxxdx
  6. xtan1xdx

2 次の定積分を求めよ。

  1. 01(2x1)3dx
  2. 0π2cosxsin3xdx
  3. 12(1+logx)2xdx
  4. 01xexdx
  5. 01xex2dx
  6. 12x2logxdx

第2回の解答例

1

1.
(ax+b)4 を展開してから多項式の積分をしても良いですけれども,せっかくですから置換積分をしましょう。以下,C は常に積分定数とします。

t=ax+b とすると,dtdx=a である。

(ax+b)4dx=(ax+b)41aadx=t41adt=t55a+C=(ax+b)55a+C

2.
これも x(x2+1)3 を展開してから多項式の積分をしても良いですけれども,せっかくですから置換積分をしましょう。勉強は効率が悪い方が良いに決まっていますが,計算だけは効率よく行きましょう。そもそも,不定積分という考え方自体が効率を求めた計算方ですし。

t=x2+1 とすると,dtdx=2x である。

x(x2+1)3dx=(x2+1)3122xdx=t312dt=t48+C=(x2+1)48+C

3.
典型的な部分積分の練習問題です。

x(ex+ex)dx=x(exex)1(exex)dx=x(exex)(ex+ex)+C

4.
これも部分積分の練習問題です。でもちょっとした工夫が必要です。sin2x=2sinxcosx であることを思い出しましょう。

xsinxcosxdx=x2sin2xdx=x2(cos2x2)12(cos2x2)dx=xcos2x4+sin2x8+C

5.
これも部分積分の練習問題です。

logxxdx=x12logxdx=2x12logx2x121xdx=2x12logx2x12dx=2x12logx4x12+C

6.
これも部分積分の練習問題です。不定積分の公式を使います。

xtan1xdx=x22tan1xx2211+x2dx=x22tan1x12(111+x2)dx=x22tan1xx2+tan1x2+C

2

1.
(2x1)3 を展開してから多項式の積分をしても良いですけれども,せっかくですから置換積分をしましょう。

t=2x1 とすると,dtdx=2 であり,
x01t11

01(2x1)3dx=01(2x1)3122dx=11t312dt=[t48]11=148(1)48=0

2.
これはどちらを置換するかで手間が変わります。どちらを置換する方が手間がかからないか,分かりましたか。
t=sinx とすると,dtdx=cosx であり,
x0π2t01

0π2cosxsin3xdx=0π2(sin3x)cosxdx=01t3dt=[t44]01=14

3.
t=1+logx とすると,dtdx=1x であり,
x12t11+log2

12(1+logx)2xdx=12(1+logx)21xdx=11+log2t2dt=[t33]11+log2=(1+log2)313

4.
これは部分積分で簡単にできます。

01xexdx=[xex]01011exdx=[xex]01[ex]01=1

5.
これはいじわるひっかけ問題です。4. との違いを理解してください。

t=x2 とすると,dtdx=2x であり,
x01t01

01xex2dx=01ex2122xdx=01et12dt=[et2]01=e12

6.
これは部分積分の練習問題です。

12x2logxdx=[x33logx]1212x331xdx=[x33logx]121312x2dx=[x33logx]1213[x33]12=8log2379

第3回 有理関数と無理関数の積分

1 次の不定積分を求めよ。

  1. x4x21dx
  2. 1x(x21)dx
  3. x2x3+1dx
  4. 1x+x1dx
  5. x3x+1dx
  6. 11+x2dx

2 次の定積分を求めよ。

  1. 011x21+xdx
  2. 23x1x+1dx
  3. 0log(e21)ex+1dx

第3回の解答例

1

1.

x4x21=x2+1+1x21=x2+1+12(1x11x+1)

という下書きをしておきましょう。

x4x21dx=(x2+1+12(1x11x+1))dx=x33+x+12(log|x1|log|x+1|)+C

2.

1x(x21)=12(1x(x1)1x(x+1))=12((1x11x)(1x1x+1))=12(x1)1x+12(x+1)

という式変形ができれば,あとは 1. と同じです。

1x(x21)dx=(12(x1)1x+12(x+1))dx=12log|x1|log|x|+12log|x+1|+C

3.

x2x3+1=x2(x+1)(x2x+1)=x1x2x+11x+1

という式変形ができたでしょうか。積分の計算のために,もう一歩踏み込んで,

x1x2x+11x+1=12(2x1x2x+11x2x+1)1x+1=12(2x1x2x+11(x12)2+34)1x+1

まで計算をしておきましょう。

x2x3+1dx=(12(2x1x2x+11x2x+1)1x+1)dx=12log|x2x+1|1223tan123(x12)log|x+1|+C

4.
これは置換積分をするだろうことは想像つくと思います。x1=t とすると,x1=t2 より,これは x=t2+1 という変換だとも考えられます。このとき,xt の関数であり,t の関数 xt で微分すると,dxdt=2t となります。

1x+x1dx=1t2+1+t2tdt=(2t+1t2+1+t1t2+1+t)dt=(2t+1t2+t+11(t+12)2+34)dt=log|t2+t+1|23tan123(t+12)+C=log||x1|+x1+1|23tan123(x1+12)+C

5.
x=t3 とすると,dxdt=3t2 です。

x3x+1dx=tt3+13t2dt=(33t3+1)dt=(3+t2t2t+11t+1)dt=(3+122t1t2t+1321t2t+11t+1)dt=(3+122t1t2t+1321(t12)2+341t+1)dt=3t+12log|t2t+1|3223tan123(t12)log|t+1|+C=3x3+12log|x23x3+1|3223tan123(x312)log|x3+1|+C

6.
これは t=x+1+x2 と置換するパターンです。このとき,

dtdx=1+2x21+x2=1+x1+x2=1+x2+x1+x2

となります。よって,

11+x2dx=1x+1+x2×x+1+x21+x2dx=1tdt=log|t|+C=log|x+1+x2|+C

2

1.
x=sinθ とすると,dxdθ=cosθ であり,
x01θ0π2
この範囲において,cos2θ=cosθ であることに注意しましょう。

011x21+xdx=0π2cosθ1+sinθcosθdθ=0π21sin2θ1+sinθdθ=0π2(1sinθ) dθ=[θ+cosθ]0π2=π21

2.
x=t2+1 とすると,dxdt=2t であり,
x23θ12
この範囲において,x1=t が成り立つことに注意しましょう。

23x1x+1dx=12tt2+22tdt=212(12t2+2)dt=2[t212tan1t2]12=2(21)22(π4tan112)

3.
x=log(t21) とします。なぜこうするかは ex+1=t から逆算して考えました。このとき,dxdt=2tt21 であり,
x0log(e21)θ2eこの範囲において確かに ex+1=t が成り立ちます。

0log(e21)ex+1dx=2et2tt21dt=2e(2+1t11t+1)dt=[2t+log(t1)log(t+1)]2e=2e+loge1e+122log212+1

第4回 三角関数の積分

1 次の定積分を求めよ。

  1. 0π214+5sinxdx
  2. 0π215+4sinxdx
  3. 0π4sin2x4+cos2xdx
  4. 0π4tan3xdx

第4回の解答例

1

1.
t=tanx2 とすると,sinx=2t1+t2dtdx=1+t22 であり,
x0π2t01

0π214+5sinxdx=0114+52t1+t221+t2dt=0124t2+10t+4dt

=011(t+2)(2t+1)dt=0113(22t+11t+2)dt

=13[log|2t+1|log|t+2|]01=13log2

2.
1. と似た問題なのですが,置換積分をしたあとの計算が違います。ご注意を。
t=tanx2 とすると,sinx=2t1+t2dtdx=1+t22 であり,
x0π2t01

0π215+4sinxdx=0115+42t1+t221+t2dt=0125t2+8t+5dt

=0125(t+45)2+95dt=25011(t+45)2+925dt

=25[53tan153(t+45)]01=23(tan13tan143)

3.
t=tanx とすると,sin2x=t21+t2cos2x=11+t2dtdx=1+t2 であり,
x0π4t01

0π4sin2x4+cos2xdx=01t21+t24+11+t211+t2dt=01t2(4t2+5)(t2+1)dt

=01(54t2+51t2+1)dt=[5425tan12t5tan1t]01

=52tan125π4

4.
いじわるひっかけ問題です。できましたか。
t=cosx とすると,dtdx=sinx であり,
x0π4t112

0π4tan3xdx=0π4sin2xcos3x(sinx)dx=0π41cos2xcos3x(sinx)dx=1121t2t3dt=112(1t1t3)dt=[logt+t22]112=