【特別企画対談】セブン銀行 セブン・ラボリーダー 西井健二朗 氏
(モデレータ日経FinTech田中淳氏)
セブン・ラボは、2016年5月に5人で開始した、オープンイノベーション、産学連携、ゼロイチを探すなど、新規事業を作るというミッションを持ったグループ。今回のピッチコンテストはレベルが高かった。タイミーは出資していないが提携している。セブン・ラボが関わっているサービスとして、写真の企業がある。
勤怠管理サービスのDoremingは働いた分を即受取りできるサービスで、APIを連携している。セキュリティに取り組んでいるCAULISのサービスは、セブン銀行の不正検知に導入している。また、経産省のサンドボックスで、関西電力の電力設備情報を使って実証実験をしている。セブン銀行APIの認証は、AUTHLETEを使っている。チャットボットはStudio Ousiaを使っている。トラリコは20億円出資し、関連会社になってもらった。これからはセブンのアセットを使用し、例えばnanacoを使ったポイント投資や1400万ダウンロードあるセブン銀行のアプリで利用してもらうことを考えている。
セブン銀行ATMはスマートフォンで利用できるようになり、またインターネットで接続できるようにすることで、専用線が必要なくサービスの連携ができるようになった。それにより、Kyashやバンドルカードが利用できるようになった。最短で、2ヶ月程度でサービスとATMをつなげてローンチできるような状況になっている。
ATMのオープンAPI対応について、現状はこのような感じである。
口座がなくても電話番号かメールアドレスがあれば、直接ATMで現金を受け取れるようになっている。たとえばRakSulや助太刀などが利用できる。
スタートアップと付き合うときに気をつけていることは、まずリスペクトとGive Firstであること。例えば、お金やアセットを提供できること、何を提供できるか考えること、時間をかけないことに気をつけている。大企業とは違い、スタートアップは時間が勝負。出資は、1億円以下なら、最初に会ってからクロージングまで1ヶ月でできる。一般的にはGive & Takeだが、個人としてはTakeには興味がなく、セブン銀行のアセットを使ってスタートアップが成功するのを見たい。大企業がそういう風に変わっていくと、サイクルが良くなっていくのではと考える。
スタートアップのステージによるが、早い段階のステージなら、人やチームが見極めにおいて大事。PoC(Proof of Concept)疲れがあるので、やるなら最初から本気でやったほうが良い。スタートアップへの出資は、出資の要請があったかどうかだけ。出資の要請は、出資があったほうが良いなどの理由と、セブン銀行とのシナジーがあれば応じる。投資額はあまり気にしていないので、最初から海外で勝負するようなスタートアップは金額が自ずと増える。
(Nikkei FinTech Confernce2019のレポートはその8で終了です)