当研究室について

土壌には1gあたり億を超える微生物が存在し、その種類は数千、数万ともいわれている。当研究室では環境中に存在する微生物の機能を生かして、環境問題の解決に寄与することを目的として、以下の課題に取り組んでいる。

<微生物の芳香族化合物分解機構の解析>
PCB類、有機溶剤であるクロロベンゼン類、農薬2,4-Dなどの芳香族塩素化合物は、人間が作り出した化学物質であり難分解性であるが、環境中の微生物にはこのような化学物質をも分解できるものがいる。このプロセスを明らかにして、微生物を環境修復に応用していくために研究を行っている。これらの化合物の微生物分解過程で共通に出現する中間代謝産物であるクロロカテコール類(図1)や、クロロ安息香酸類などの芳香族化合物の分解経路を主な対象として、その発現調節機構(図2)および代謝関連の遺伝子の構造と機能の関係について解析を進めている。

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図1 種々の芳香族塩素化合物の分解経路(Reineke 1998)
図2 クロロカテコール分解遺伝子群のLysR-type調節因子CbnRによる発現調節機構