【第45回】人の「和」を大切に

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投稿者:白井 秀典(昭和54年 工学部機械工学科卒)

化学系企業に就職した珍しい機械工学出身者です。機械技術なくして完成をみない組み立て加工商品の研究開発を皮切りに、基礎研究者が考案した商品の生産最適化を完成させる生産技術開発まで、数多くの経験をいたしました。成長の絶頂期を迎え、前年まで機械工学出身者は毎年1名限りから、増員募集に転化した初年度に、機械工学科から初採用されました。しかも同時に2名が静岡大学と、入社が決まってから知り、さらに驚いたことを思い出します。なんといっても、機械・電気系技術者は、ほんの僅かですから、超多忙で休む時間もない日々チャレンジに囲まれ恵まれた?環境で過ごしました。

基礎研究者の想い満載の商品計画を、社内外協力の輪をつなぎながら商品として店頭にお届けする。関わった商品が店頭に並び、次々と購入していただくことに感激することもあった一方で、トラブルゼロへの技術レベルアップにも日々チャレンジしていました。

浜松の「やらまいか」精神と、入社式でアドバイスされた「辛い時ほどニコヤカに」を、守り続けた大企業生活でした。苦しいときに手を差し伸べてくれた異業種からのアドバイス、逆に苦しんでいる研究員を救出する奇抜なアイデアと完成までの長い道のりのお付き合いなど、多くの方々の「和」の中で、日々一学の積み重ねが、知らず知らずのうちに、自分自身の基盤となり、現在に至ったという感謝の気持ちが一杯です。 一昨年、経営士という資格のもと、企業コンサルタントとして、脱サラ新社会人生活を始めました。おかげさまで、さまざまな方々からご相談を承り、新たな刺激を受けとめては、長年培った「人の和」の縁に助けられて、課題解決に精一杯の努力をしています。外国人経営者の方々とも対等に技術論を交わせますのも、その情報ネットワークのおかげです。

「善き和」の一員として過ごせるかというと、自分自身に対して他人が魅力を感じてくださるかに往きつきます。既に、実践されている方々には、釈迦に説法ですが、「一日一学」のこころがけをお薦めします。静岡大学で学ぶという偶然をともにした、みなさんが「善き和」の中心として活躍できる魅力あふれる強みを有し、その「善き和」が、毎年大きくなってゆくことを楽しめれば幸せな人生だと思っていますが、いかが思われますか。