【第143回】テニス仲間の雑談から……

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投稿者: 海野 哲夫(昭和34年 工学部電気工学科卒)


私のテニスサークルは、女性8人と男性は私1人である。集まっても直ぐ井戸端会議が始まりテニスはなかなか始まらない。私といえば1人離れた場所で聞き耳を立てる。この日の話題は、虐待によりわずか10歳で生涯を終えた女児の父親の裁判のようだ。

子育てといえば、時々自宅近くの駐車場で見たツバメの子育ての様子を思い浮かべる。親鳥が餌を運んで来る度に5羽の子ツバメは、一斉に大きな口を開けて餌をせがむ。私は見ていて、親鳥は全員に均等に餌を与えているのだろうか、食いっぱぐれるものはいないのだろうかなど心配してしまう。更に、成長すれば越冬という長旅が待ち構えている。越冬には地図が必要だ。親ツバメは経験しているが、子ツバメは、親からそのDNAを引き継いでいるのか。何千キロの長旅はどのようにして飛ぶのか疑問が次々湧いてくる。

地図といえば、ジブリ映画「思い出のマーニー」を見終えた時ネットでは、その主な風景のモデルは北海道の何処なのか話題になっていた。現在の結論は、浜中町の藻散布沼(もちりっぷぬま)とのこと。早速、その沼を探したが、地名など文字の助けを借りて、やっと見つけた。その後、その場所を再確認しようとするも簡単に見つけられない。要は地図を覚えるのも大変ということだ。文字を持たないツバメ達は、何らかの地図の元に東南アジアなど何千キロも先を目掛けて旅をする。この長旅では、「半球睡眠」と呼ばれる脳の半分だけを眠らせ、周囲に気を配って飛び続けながらも休むとのこと。やれやれ……。

宮城県の夏の伊豆沼は、日本一美しいというハスの花が咲く。十月にはシベリヤから冬鳥のマガンが飛来し、この沼が何万羽のマガンやその他白鳥などの越冬地となる。マガンの飛び立ちとねぐら入りは壮観である。

人間の子育てから話が大分逸れたが、身近な小動物の健気な子育てや、その不思議な生態からいろいろ学ぶべき事が多いと思う。