【第142回】NOBELPORT『ノーベルポート』

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投稿者: 竹内 栄治
(昭和47年 工学部電気工学科卒,ノーベルポート代表,ハートリンガル副代表,俳句POET 竹内一犀)


今年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、全国的に大規模な就職活動関連イベントの中止や延期、企業の説明会や選考方法の変更等が相次ぎ、就職活動中の留学生の間に困惑と不安が広がりました。私は今年秋に卒業した静岡大学浜松キャンパスのABP(アジアブリッジプログラム)留学生OG(スリランカ出身・下村勝研究室)のニールさんの生活支援と就職支援活動をハートリンガル代表の西野惠子さんと共に行って参りました。

そのような折、下村先生から今秋卒業したラジャさん(インド出身博士課程(工学)修了生)に日本語と立ち振る舞いについて指導してほしいとの依頼を受けましたので、西野さんにお願いしたところ、西野さんはこれぞ天職とばかりに卓越した英語力と日本語力を生かし、日本語の語感をしっかり理解できるまで教え、ラジャさんは眼を見張るばかりに日本語が上達しております。

ラジャさんは、ポスドクの間はアルバイトをしなくてはならず、土日や夜間でなければ日本語を学ぶ時間が取れません。そこで私は、土日や夜間でも日本語を学ぶことができる環境を作るため、下村先生に「『ノーベルポート』というグループの顧問になっていただけますか」とお願いしたところ、下村先生は「喜んで」と即決し、『ノーベルポート』を立ち上げました。

さらに、活動場所を浜松工業会の了解をいただき浜松キャンパスの同窓会館(佐鳴会館)として、バイリンガルによる日本語語感育成の場を確保できました。

『ノーベルポート』は、静岡大学浜松キャンパスの学生諸君と静大生との文化交流を求めている市民の皆様が大学内にて活動できる場を提供させていただき、交流の懸け橋となります。

その活動は、留学生の為の時間外日本語勉強会としてスタートしますが、ノーベル賞へのチャレンジ精神を植え付けることができる教育プログラムを学生と共に作り上げて行ければ良いと考えております。

また、優秀な留学生やOBOGに日本語の語感育成や日本人特有の感性を理解していただき、更には、創造性のある国際人材を育成するために、オンラインにより現代俳句クラブ『座・NOBELPORT(竹内一犀)』を立ち上げ、バイリンガル(英語と日本語)による現代俳句鑑賞を提供いたします。

ウイズコロナの世界ではそれぞれの国々が生き残りを掛けて、知恵を絞り出し、新技術開発に力を入れますので、留学生には高度な頭脳と人間力が今まで以上に求められると思います。研究者を目指す学生は、国籍の如何を問わず、至誠心と創造的な頭脳をもって世界を正しく牽引しなければならないのであろうと思います。