【第207回】誰かに頼ってもいいし、頼らず生きてもいい・・・ホトケノザ

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投稿者:下橋 一徳(昭和58年3月教育学部中学校課程数学科卒/教育学部同窓会 指名理事)


教員を定年退職後、高校生や大学生に奨学金を贈呈する仕事に就いています。奨学生からの近況報告や感謝の言葉に接すると、こどもたちの一助になっていることに喜びを感じ、こどもたちの「自分も誰かの役に立てる人になりたい」という『恩送り』の言葉に心洗われます。金銭的支援への感謝ではなく、「支えられ、励まされている」ことへの感謝の言葉に心打たれます。少額な奨学金ですから、決して十分とは言えず、アルバイトや他の奨学金との併用で、就学費用や生活費を工面しているこどもが多いです。

この取組の意味をあまり理解できていなかった頃、高校の先生に「1人当たりの奨学金の金額を増やしましょうか」と提案しました。お返事は、「いや、こどもが一歩踏み出す『きっかけ』を作ってくださることが大切です」でした。私も教師でしたから、こどもの「自立」を意識してきたつもりでしたが、お恥ずかしい限りでした。

先日、新聞に「ホトケノザ」の記事が掲載されていました。「ホトケノザ」は、ピンクの美しい花びらが蜂を誘い、ランにも似た形状が奥の蜜へと導き、蜂の体に花粉を付け、他の花に受粉してもらう。しかも、できた種子は蟻が好きな香りがついているので、蟻が遠くまで運んでくれる。一方、蜂が少なくなる夏が近づくと、「ホトケノザ」は目立たない花をつける。花は開かず、蕾のまま結実する「閉鎖花」で、自家受粉するそうです。

「誰かに頼ってもいいし、頼らずに生きてもいい」、「自立と共生」、いつまで経ってもこどもの姿や植物に学び、感動することが多いです。そして、それが「幸せ」だと感じる今日この頃です。