【第163回】退職後の生き方

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投稿者: 嶋 照生(昭和58年度 理学部数学科卒)


退職して2年目に入りました。現役時代は公立高校の教員でしたが、現在は私立高校で教員をしています。退職後においても公立高校にそのまま残ることはできたのですが、私はあえて私立高校に再就職しました。その理由は主に次の2つです。

1つ目は、もう少し数学教育について考えていきたいと思ったからです。大学では完全なる落ちこぼれでしたので、偉そうなことを言える立場ではありませんが、数学の授業についてもう少し追求していきたかったのです。皆さんも御存知のとおり、数学は一部の生徒を除いてほとんどの生徒が毛嫌いする教科です。この嫌な数学を好きにさせることは至難の業ですが、少しでも数学の面白さや良さを感じることができるような授業を目指していきたいと思い、転勤のない私学を選び、腰を落ち着けてじっくり授業について考えていくことができる環境を選択しました。

2つ目は、競技かるたをもう少し続けたかったからです。この競技かるたを継続するためには百人一首部のある学校に赴任して生徒と一緒に練習できる環境が必要です。しかし、公立高校には百人一首部のある高校が少ないため、そのまま公立高校に残ると百人一首部のない高校に赴任する可能性がありました。これを回避するために百人一首部のある私学を選びました。この歳になって生徒と一緒に競技かるたができることはとても幸せです。私の方も令和4年度のねんりんぴっく大会(高齢者の全国大会)において、静岡県代表選手として出場を果たすことができました。

これから老化がどんどん進み、やりたいことができなくなっていく時が訪れるとは思いますが、体と頭が動く限り、授業と競技かるたにしばらくエネルギーを注いでいこうと思っております。