投稿者:村田 武夫(昭和35年 工学部電子工学科卒)
浜松・中区城北にある大学 Campus で、今直、残っている建物は、電子工学研究所(電研)、佐鳴会館、その他少しで、余りありません。消えて無くなった建物の内、忘れられない建物が在ります。その建物は、敷地の北側、和地山公園側、東西に走る道路沿いに在りました木造平屋建てのものです。数学、物理、外国語など、教養科目を担当された先生方がこの建物に入って居られました。この建物は、私の想像ですが、元陸軍の士官(将校)以上の方が使って居られたものと思われます。この建物には、縦長の窓枠に上下に動く2枚のガラス戸があり、そこにガラスを横3分割、縦に2分割(または3分割)する格子の桟(サン)が付いておりました。この窓は、英国で数多く見られるManor house ,や米国 Washington に在りますWhite houseに由来すると思われます。 (Level 0 の階(わが国の1階に相当)は 天井が高いので、2枚のガラス戸の内、上の戸はひと枠多く縦3分割、Level 1の階(わが国の2階に相当)では、2枚とも縦2分割となっております。横3分割はかわりません。更に、英国では、窓ガラスは2重で、断熱と防音効果は大です。
この窓を通して見た外の景色、または、外から部屋の中を見た目、何れも素晴らしい趣きを感じます。わが国では、建物は、固定資産税の対象であっても、皆、消費財で、20年ぐらいで、更地にして立替ていますね、伊勢神宮の式年遷宮モドキと言えそうです。学校の中で、Old school と言える建物は、大事にして、残して欲しいと存じます。また、わが国の学校の建物でよく見られるのですが、格子の無いアルミサッシの窓をベタベタとはった、壁の無い建物、素晴らしさが感じられません。これが、私たち世代が残す遺産でしょうか!それに、阪神淡路大震災と関係あるらしいのですが、このCampus で同じ建物でも前に建てた部分と後から増築した部分で、水道栓に違いが在ります。「下げ吐水」と「上げ吐水」です。成田空港も同じです。しかし、欧州では、「上げ吐水」しか在りません。何とかしたいですね。無駄な投資にならないように、初めから、よく考えて欲しいものです。