当研究室について

静岡大学農学部附属地域フィールド科学教育研究センター・藤枝フィールドには(写真1)、植物生産管理学研究室が設置されており、雑草学、園芸生理学および果樹園芸学を専門とする3名の教員が、持続型農業に関する基礎研究、高品質・減農薬園芸の研究、栽培技術の改良など、「安全でおいしい農産物の生産」と「環境保全」との両立を目指した教育研究を行っています。
果樹園芸学分野では、柑橘類(温州ミカン、ブンタン、キンカン・・・)、スモモ、キウイフルーツ、ブルーベリーなどの果樹を主な研究材料とし、次の3つのテーマを軸に研究活動を行っています。

①染色体工学的手法を用いた高品質果樹の開発
②果樹の結実生理に関する研究
③新規果樹の導入・栽培試験

具体的な研究内容は、キンカンゲノムの導入による『丸ごと食べることができるミカン』の開発(写真2)、本県西部に自生しブルーベリーの近縁種であるナガボナツハゼ(絶滅危惧種IA)の栽培利用を目的に果実品質の評価や繁殖方法の確立(写真3)、『世界で最も重いスモモ』として知られる「貴陽」が栽培管理で問題となっている低糖度果実「味なし果」の発生機構の解明(写真4)、イオンビームを用いた突然変異育種などです。また、藤枝市のシンボルカラーである藤色の果物を特産化するために、クロフサスグリ(カシス)やブラッドオレンジ、オリーブなどの栽培試験も行っています。
なお、本研究室専攻生の卒業後の進路は、県職(農業)等の公務員や種苗会社、JA、食品会社などで、本研究室で学んだ果樹の知識や技術を生かせる職種に就職しています。

写真1 静岡大学農学部附属地域フィールド科学教育研究センター・藤枝フィールド 写真2 キンカンとの交雑系統の栽培試験 写真3 ナガボナツハゼの開花の様子 写真4 ニホンスモモ「貴陽」の成熟果実(右:味なし果)

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