私たちの生活を支える陸上植物の祖先は,約4.7億年前に出現しました.植物の進化は,生態系の変化に大きな影響を与えてきました.私は,海成層と非海成層から胞子・花粉などの微化石を抽出し,古環境と古気候の推定や,植物の進化史に関する研究を行っています.特に,中生代に急速に多様化し,地球生命圏の様相を一変させた被子植物の起源と初期進化の解明を目指し,野外調査と花粉分析を進めています.花粉学的素養は,古生物学だけでなく,公衆衛生学,生物学,環境学に至るまで,様々な分野に応用できます.また,植物と共産する動物化石や古土壌の解析を行うことで,陸上生態系の成立過程を包括的に理解できると考えています.