ICの中身を観察しました。使用したICは手元にたくさんあったPIC12F675 (8ピンのDIP)です。
まずは紙やすりでICの印刷面から黒い樹脂を削っていきます。中に埋まっているシリコンダイをできるだけ傷つけないように徐々に番手の大きなものに変えながら削っていきます。とりあえず1つダメにするつもりで削ってみると勝手がわかると思います。
下の光学顕微鏡写真はICの樹脂部分を削ってでてきたシリコンダイ(ICの本体)を倍率140倍で観察したものです。茶色の部分がシリコンダイです。なんとなく内部の配せ線などが見えますが、わずかに残っている樹脂がダイを覆っているのではっきりとは観察できません。そこで、イオンミリングによる樹脂の除去を試しました。
時々様子を見ながらトータルで3時間程度の処理をしました。左上から右下に画像を横切るよう白い領域があることがわかります。この領域はダイの上にあった樹脂がすっかりはがれているためだと思われます。またこのように樹脂は除去できているのにダイは残っていることは、樹脂とダイ(シリコン)のエッチングレートの違いによって説明できると考えられます。
下の図はむき出しになっている領域を1000倍で観察した光学顕微鏡写真です。小さな構造が密集していることがわかります。
他の場所を1500倍で観察した光学顕微鏡写真です。
まとめ
紙やすりを駆使することでICのパッケージ内のシリコンダイをむき出しにすることができた。さらにイオンミリングによってダイの上に残っていた樹脂を除去できた。デジタル顕微鏡の高倍率(x1000~2500)によって、ダイの上に作られた微細構造を観察できた。