入室希望の方へ

 当研究室は物理学の原理に基づいた基礎的な理解と応用を重視します。論理的な思考と柔軟な行動が大切だと広部は考えます。そのような思考力と行動力は物理学以外でも通用することでしょう。以下の素養を身につけたいという気概のある方々を歓迎いたします。


基本に立ち返る

スポーツに限らず、物理学でも基礎が大切です。より深い理解のため、学部4年から修士1年までに以下の基礎を学ぶことを推奨します。

有限自由度系の解析力学:ラグランジュ形式、ハミルトン形式、保存則と対称性

無限自由度系の解析力学(場の古典論):同上

量子論:シュレーディンガー形式、ハイゼンベルク形式、保存則と対称性、水素原子の電子状態、調和振動子の電子状態、波束の運動、摂動論(定常状態)、同種粒子の多粒子系の扱い(特にフェルミ粒子)、場の量子論(俗にいう第二量子化)、ボルツマン輸送方程式


目的と手段の連鎖を理解する

実験手順はときに複雑です。「目的Aのため、手段Bをとる。目的Bのため、手段Cをとる…」といったように、目的と手段の長い連鎖をたどり、完成形から逆算して実験系をデザインする必要があります。


考え方を身につける

「先生が言ったから」、「教科書に書いてあったから」という理由で納得せず、前提・ロジック・結論に合点がいくか自問しましょう。


よく観察する

実験中の小さな変化にも目を向けて、メモを取りましょう。実験手順を熟慮しても、見落としが十中八九あります。その見落としで失敗するかもしれませんし、思わぬ発見があるかもしれません。いずれにしろ、原因追求には観察が必須です。


経験者に教えを乞う

現時点でできることを実行し、手に余る問題に遭遇したら経験者に教えてもらいましょう。相手が答えやすいよう質問の仕方に工夫をしましょう。


粘り強く取り組む

日々の成長は微々たるものですが、年単位でみれば努力の有無は明らかです。


試行錯誤する

初めて取り組む実験は狙い通りにいきません。同じ失敗を繰り返さないよう改善しながら挑戦しましょう。