デバイス作製
イエロークリーンブース
クラス1000設計のフォトリソグラフィ用クリーンブース。イエローカーテンで感光を防止。
クリーンルームの清浄度(クラス)は、1立法フィート(およそ28 L)あたりに含まれる粒径500 nm以上の粒子数Nで指定されます。クラス1000はN ≤ 1000を意味します。フォトリソグラフィの解説は、たとえばこちら(外部リンク)。透明カーテンのクリーンブースも併設し、マイクロマニピュレータと簡易マイクロ波テスト台を備えています。そちらは電気測定の前処理に特化しています。
マスクレス露光装置
写真を印刷するように任意のパターンを露光。最小露光線幅は3 μm。
(静大生向け)物理学実験の物性I(輸送現象)では、電極パターンを手で作製します。マスクレス露光装置を用いると、この電極作製を精密かつ微細に行うことができます。たとえば、ホールバー構造を髪の直径(50-100 μm)に収まるように作製することもできます。
多連電子ビーム蒸着装置
蒸着材料を最大5個までセット可能。熱の影響を抑える工夫により、レジストの耐熱温度を十分に下回りつつ高融点材料を成膜可能。
測定顕微鏡
XY2軸寸法測定顕微鏡。測定精度は実測値で3 μm以下。透過明視野観察と落射明視野観察に対応。
ヒュームフード
有害ガスの曝露対策。ガスをフィルタで吸着して清浄な空気を実験室内に循環排気。
電気測定
プローブステーション
磁場中の微小電気測定に使用。1 pA(1e-12 A)未満の微小電流も検出可能。磁場強度は最大で0.8 T。
電磁石システム
特注ロッドと組み合わせて微小電気信号を検出。低周波領域であれば交流磁場も印加可能(≤ 10 Hz @ 1 T)。無冷媒クライオスタットと組み合わせて、全自動低温磁気抵抗測定システムを構築しました。
各種汎用機器
コンパクトマニュアルプローバー、ナノボルトメータ、超高感度電流ソース、2CHおよび8CHソースメジャーユニット、2CHロックインアンプ搭載ソースメジャーユニット、ファンクションジェネレータ、ロックインアンプ、可変バンドパスフィルタ、ネットワークアナライザ、2CHオシロスコープ(ご退職された三重野教授のご厚意で譲渡)、ローノイズ電圧電流変換モジュール、簡易原子間力顕微鏡('24年度指導学生と一緒に組立)、誘電率測定器、面内2軸電磁石(バイポーラ電源付属)、デスクトップ型高真空排気ユニット、グローブボックス(分子研山本グループのご厚意で貸出中)
居室
学生用デスク
デスクは横幅120 cmのゆったりサイズ。チェアは可動肘とランバーサポートが付属。
コーヒーメーカー
全自動コーヒーメーカー。いつでも挽きたてのコーヒーを。
謝辞
研究室立ち上げに際し、多くの方々のご支援をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
全般|山本浩史先生[分子科学研究所(分子研)、前任地のグループ主宰者]より度重なるご支援を賜りました。齊藤英治先生[東北大学(当時。現在は東京大学)、博士課程時の指導教員]より実験室立ち上げの留意点等をご教示頂きました。心より感謝申し上げます。
フォトリソグラフィ環境|仕様選定にあたり、分子研装置開発室、東京大学齊藤研究室および塩見雄毅准教授(東京大学)から具体的なアドバイスを頂きました。資金面では、JSTさきがけ「トポロジー」領域のご支援を頂きました。誠にありがとうございます。
装置移設|分子研からの装置搬出にあたり、分子研山本グループのご協力を頂きました。資金面では、静岡大学テニュアトラック事業のご支援を頂きました。誠にありがとうございます。
機械設置|重量・大型機器の設置をはじめ、実験室の立ち上げでは2022年度配属学生(奥村さん、平さん、三宅さん)のご協力を頂きました。誠にありがとうございます。
その他|前任地よりお世話になっている遠藤科学様に、多くの備品と消耗品を極めて手際よく手配して頂きました。誠にありがとうございます。