情報科学実験Cの概要

実験の目的

情報科学実験Cは、ハードウェアの知識やスキルを身につけ、理解を深めることを目的としています。それ以外にも、卒業研究,修士研究にも必要となる、実験全般に対する準備とスキルの習得を目指します。さらに、レポートの書き方、チームワークを通してチームでの問題解決、リーダーシップ・フォロアシップ、コミュニケーション能力のスキルを身につけることも目的とします。

情報科学実験Cは、座学のように「知ること」が目的ではありません。これは学びの入り口ではありますが、実験はこれまでに専門科目・座学で知ったこと・学んだことを使って、”’知ったことを確かめる,知ったことを使ってみる,知ったことをやってみる”’,そこから新しい知見を得る・知識の理解を深めることを目的とします。「知る」ことと「実践する」ことは違います。実験を通して「知っている」を「実践している(やってみる)」ことを目指しています。このように自ら実践し体験したことで得られる気付きを集め変化する体験から学ぶことが真の学びだと思います。

実験の計画

一般に実験は仮説を検証するために行われる。実験データに基づいて仮説の検証や考察が行われ新しい知見を得る。情報科学実験Cでは、実験の目的と実験手順の概要については指導書に記載されているが、実験者の主張すべきこと(実験指導書に示された要請)を確認するための実験方法、実験手順を考え、役割分担をし、実際に実施し、記録をとる必要がある。実験の目的と外れた方法で実験を実施してもその実験結果は正当な結果としては認められない。

卒業研究などの研究でも実験が行われるが、実験の目的に応じた実験方法・実験手順を守らなければならない。情報科学実験Cはその実験方法の検討・実施の理解を深めることも目的となる。情報科学実験IIIでは、次のことについて確認・評価を行う

  • 実験の方法は指導書に記された実験方法に準拠しているかどうか
  • 実際に行われた実験手順は、上記に定めた実験方法と一致しているか
  • 実験レポートに記載された実験方法と実際に行われた実験手順との間に矛盾・齟齬はないか

実験の記録

実験レポート(報告書や研究論文)には5W1H(いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How))が必要になる。実験レポートの表紙にはいつ(When),(どこで(Where):場所は割愛)だれが(Who)を記載する。なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の所を実験レポートには記載する必要がある。また、実験結果として何が得られたのか、実験データとして正確に実験結果を記録する必要がある。実験のデータは改ざんできるような記録方法は好ましくない。PCのエクセル表て実験データを記録することもあるだろうが、実験データの上書き、改変、改ざんが行われてもわからない。すなわち、厳密にいれば、実験データの正当性が証明できない(自分たちが記録したオリジナルのデータなのか改変されたデータなのか、修正したデータなのか表の表示だけでは判断的ない)。一般には実験ノート(紙のノート)を用意し、ボールペンのような消せない筆記用具で手書きで記録する。修正も見え消しとし、何を何に変更したのかがわかるように記録することが行われてはじめて正当性が検証できる。

情報科学実験Cではそこまでの厳密性は要求はしない(つもりだ)が、実験者には上記のような実験データの正当性について考え、実験データの記録には工夫をしてもらいたい。

何回か同じ実験をする際に、実験結果の表を上書きする記録方法は望ましくないと思われる。同じ実験と思って表を上書きしていると、実験条件が変わっているデータを一つの表に記載していることになり、実験条件の揃っていない実験結果の表ができあがる。それをあたかも同一の実験条件で観測したかのような実験データとして取り扱うのが正当でないことはわかってもらえると思う。このように実験条件が異なる可能性があるため、複数回の実験をする際にはそれぞれ実験データを取り、(上書きして消さないで)それを記録として残すことが必要になる(ということを理解してほしい)。

実験データのまとめ

実験のデータを実験レポートでは取捨選択・整理して提示する必要がある。実験データの正当性を問われた際には全ての実験データを提示する必要があるが、実験レポートでは実験データを適切に取捨選択した上で、読者にとって分かりやすい形式(グラフや表)に表現する。恣意的に実験テータを取捨選択して都合の良い結論を誘導してはいけない。

実験の目的である明らかにしたい事柄を実証するために、実験データから考察・検証する必要がある。読者にとって分かりやすい形で提示し、検証過程を読者と共有し検証をトレースできるだけの情報が必要となる。

情報科学実験Cの実験データは論理回路の動作結果が中心となる。論理回路は入力と出力の因果関係が実験データとなる。入力があるから出力が変化する、入力と状態から出力や次状態が変化する。実験結果として出力の観測結果のみを提示して、回路や設計の正当性を証明・検証できるだろうか?なにをどのような形で提示すべきかはチームで検討してほしい。

実験報告

実験の報告とは、読者のことを考え、読者の興味であることを意識して、事実を客観的に示し実験データから考察により主張したい事柄や実験前に立てた仮説を証明することである。読者の興味がどこにあるのかを知るためには、実験前の君たちが短時間だけ実験レポートを見ることができると仮定すると、君たちはどこに着目して実験レポートを見るだろうか。実験方法?実験結果?考察?指導書を見ればわかる事項については実験レポートを詳細に読む必要はないかもしれない。それ以外に実験を実施してみなければわからない事柄に興味を示すものと思う。それが読者が実験レポートを読む目的であり、読者の興味である。そこが実験レポートとして注力して丁寧に記載すべき事柄であると言えよう。

短時間で読者に理解してもらうためには、図や表、式を活用し、コンパクトにわかりやすく記述する努力をしてもらいたい。コンパクトにわかりやすく書くためには、文章を書く上で大切な以下2つの基本的な事柄を習得する必要がある。

  • 形式・体裁・様式
  • 文章の構造

文章の形式とは、どんな章立てをし、章や節にとのようなタイトル・見出しをつけ、どのような語彙・語句を使うかと言うことである。体裁とは、文章のスタイルのことであり、Wordのスタイルを活用し、章や節、箇条書きなどを統一し、図表番号、参考文献番号などの挿入を適切に行うことである。

文章は内容が大切である。
だからこそ、
形式・体裁をきちんと整えなければならない。

読者に伝えたい内容が大切なものであるほど、形式・体裁をきちんと整えなければならない。いい加減な盛り付けの料理が欠けた器で出されたら、いくら美味しい料理でも台無しになってしまいます。

情報科学実験Cのお約束

実験上の不正に対する対処

実験レポートの剽窃(コピペ)、実験データの改竄・捏造(実験データの正当性が証明・説明できない場合)には、厳しく対応する。具体的には、提出は認めるものの評価は0(ゼロ)点として受理する。

日本は「科学論文の捏造大国」とみられているにも述べられているように、剽窃・改ざん・捏造する人物は以下のような特徴を持つ。

捏造型人物には、下記の特徴が顕著である。
(1) 不正に親しんで抵抗がない。ゆえに研究生活のごく初期から不正に手を染める。
(2) 研究の動機が真理探究ではない。その結果、データ管理、研究記録は極端に杜撰である。

このページの目的

実験を実施しながら、レポートをチェックしながら気づいた項目や注意事項を記載します。レポートをチェックしながら指摘事項についてなるべく伝達はしますが、このページを読まないままレポートを記述すると、本来必要な細かい注意・指摘をされないまま、大きい問題について指摘されるのみで返却されることもあります。皆さんへ公平に注意事項を伝達するためにこのページを使います。