実験実施要領

情報科学実験の目的

情報科学に関する原理、法則を単なる概念的理解にとどめず、実験により体得する。すなわち、実験装置および実験器具の使用方法、あるいは報告書の作成方法、更には計画性、チームワークの方法などを習得することにより、将来、研究または精算部屋の技術者としての基礎学力・スキルと問題解決能力を養うことを目的とする。

そのためには、定められた実験項目を機械的に学習するのではなく、各実験の目的・原理をあらかじめ十分に理解して問題に積極的に向かっていく姿勢が大切である。特に、実験の仕方によっては、予期しない現象が生じる場合があるので、細心の注意を払って実験を行うとともに、その原因を明らかにしなければならない。

実施上の注意

  1. 実験は指示された予定表にしたがって、個人またはグループにより実施する。やむをえない理由で欠席した場合は、予備日等でその実験課題を行う。
  2. 実験を実施する前に、実験指導書、配布資料、Webページを読んで、予め実験の概要を理解しておく。実験の手順、実験計画の他、共同実験者との協力方法などについても考えておく。
  3. 実験にあたり、実験室内の整理整頓に心がけ、事故をおこさないようにする。多くの場合、配線ミス、過電圧、過電流、静電気、電源の極性の間違いなど基本的な操作で、装置、器具、素子、ノートPCを壊すので十分に注意する。
  4. 万一、事故が起こったり、装置、器具、素子を壊した場合には、その原因を明らかにして、実験担当者に申し出る。
  5. 実験中に何らかの異常、危険を感じた場合には、直ちに実験担当者やTAに報告し、その指示に従う
  6. 実験に使用する装置、器具を収納場所から持ち出したとき、点検を行なった上で、実験場所に設置・配置する。この際、楽な姿勢(正確な読み取り場所)で機器の操作ができ、主計器の観測結果が正しく読み取れて、配線類が見やすいように装置、計器の配置を工夫する。
  7. 配線終了後、必ず全回路を今一度点検してから電源スイッチを入れる。電源を入れたまま配線をしてはならない。計器が振り切れた場内には、直ちにスイッチを切り、回路・配線を再点検し、その原因を調べよ。装置、計器については仕様を必ず調べ、仕様外での使用はしない。
  8. 実験実施中は、得られる数値や機器(ソフトウェアを含む)の振る舞いをある程度予想しながら作業を進め、予想外の数値や結果が得られた時は、直ちに原意を確かめる。このため、機器の指針の数値の読み取り、記録、グラフ用紙へのプロットを別々の者が行い、異状あるいは読み取りの間違いに気づきやすいようにする。
  9. 測定値は、その場で実験ノートに記録する。実験ノートは、大学生協市販のものを使うとよい。ありあわせの紙片(レポート用紙やルーズリーフ)に書くのは実験データが散逸または実験順序がわからなくなるため良くない。生データを消すときは線を引いて見え消しとすること。あとで、そのデータを調べる必要が生じることもある。
  10. データには、日時、使用装置、温度、湿度、その他必要と思われることを記入しておく。また、実験中、感じたこと、思いついたことをなどもメモしておくと良い。
  11. 実験終了後は、全ての調整部を初期設定に戻してから電源を切る。次回のグループが誤って電源スイッチを入れても心配のないようにする。
  12. 装置、器具は元通り所定の収納場所に返却する。

実験室利用心得

  1. 実験室への飲食物の持ち込みは禁止する。また喫煙は厳禁である。
  2. 実験室内での携帯電話・スマートフォンによる通話や音を出すことは禁止する。(やむを得ずリモートのメンバーと通話しながら実験する場合は、イヤホン等を使ったうえで周囲に配慮すること)
  3. 整理整頓と清掃に心がけること。
  4. 実験日以外の時間帯は他の授業,イベント等で使用することがあるため、実験終了後は机の上に機器などを放置しないで所定の位置に片付けておくこと。
  5. 退出前に部屋の前後にあるエアコンや天井ファンの電源を切り、消灯すること。なおエアコンの設定温度は、冷房使用時は28℃、暖房使用時は20℃を目安にする。
  6. 最後に退出するものが責任をもって、窓の施錠とドアの施錠を確認すること。
  7. 装置を故障させたとき、または、装置の故障を見つけたときは速やかに担当者へ連絡すること。
  8. 特に時間外の使用の際、室内の様子に不審を感じたときはすぐに教職員に連絡すること。教職員が近くにいない場合には、守衛所に届けること。

新型コロナウイルス感染対策

  1. 静岡大学の新型コロナウイルスへの対応についてのページ「新型コロナウイルス感染症対策のための対面授業実施上の留意事項について」を参考のこと。
  2. 各自の感染防止対策(手洗い、咳エチケット等)を励行すること。(現在、マスク着用は任意です。)
  3. 各実験室では常時換気を行う。冬季は防寒にも留意すること。電子機器を扱うため静電気にも注意すること。
  4. 実験器具は、消毒されていない場合は各自で実験室にある除菌シート等で手で触る部分(スイッチ等)の消毒を行うこと。基盤がむき出しになっている部分は拭かないこと。
  5. 毎朝の検温に努め、風邪の症状が見られるときは、大学には登校せず休み、担当者に連絡すること。登校中に風邪の症状が出たときは、無理せず直ちに帰宅すること。
  6. 実験期間中に活動指針レベル4以上に引き上げられた場合、対面での実験は中止しリモートによる実験内容への代替となるため、授業連絡に注意すること。