Project outline / プロジェクト概要

1. プロジェクト概要
タンザニアでは都市部を中心に電力インフラが急速に整備されつつありますが、依然として地方電化率は17%と低い状況です。本プロジェクトでは、新規に開発したガス膨張液体抽出法を用いて、米糠やヒマワリ油抽出残渣等の農業廃棄物からバイオ燃料油を抽出し、タンザニアの無電化地域でのバイオマス発電の商業化に不可欠な技術を開発します。
この方法で得られたバイオ燃料油は、発熱量が高くリンやワックス等の不純物濃度が低いので、精製なしにディーゼル発電用燃料として地域の電力供給に使用可能です。そしてディーゼル発電/マイクログリッドシステムの実証試験を通じて、無電化地域の電力需給に係る課題を明らかにして、その解決を目指します。更にタンザニアの油糧植物の分布と生産量を調査し、バイオ燃料油の生産に適した植物やその残渣の油分量と油分組成を測定します。
最後に環境への影響や経済性の評価により、タンザニアにおける本事業の有用性を明らかにすると共に、広く他のアフリカ諸国や東南アジアの無電化農村地域への展開を目指します。

(1)電力需要地の分析
バイオマス資源を利用したエネルギー開発では、元となるバイオマス資源の確保が重要な課題です。このために地理情報システム(GIS)を用いて無電化地域の土地利用マップを作成し、バイオマスの分布や賦存量等のデータベースを構築します。このデータベースと現地住民の意向調査により、ディーゼル発電/マイクログリッドシステムを設置する候補地を選定します。

(1)電力需要地の分析

(2)バイオエネルギーセンターの設立
ダルエスサラーム大学内にバイオエルギーセンターを設立し、中圧・可燃性の溶媒を使用するバイオ燃料油抽出プラントや精留塔、生成物を迅速・高精度に分析するための分析装置を設置します。更に本センターはプロジェクト終了後も、タンザニアのバイオエネルギーの研究拠点として継続的に活用します。

(3)バイオ燃料油の抽出技術の確立
抽出槽の内容積が5Lのベンチプラントを静岡大学に設置し、実用化に必要な要素技術を開発します。次に抽出槽の内容積が500Lのパイロットプラントをダルエスサラーム大学内のバイオエネルギーセンターに設置して実証試験を行い、商業プラント実現の目途を立てます。更に抽出油の一部や抽出残渣から石鹸等の有用な副製品を製造する技術を開発します。

(3)バイオ燃料油の抽出技術の確立

(4)ディーゼル発電/マイクログリッドシステムの実証試験
ダルエスサラーム大学内にディーゼル発電/マイクログリッドシステムを設置して電力供給を行い、電力負荷変動への発電機の応答やマイクログリッドにおける電力損失を明らかにします。そして近い将来、無電化地域でディーゼル発電/マイクログリッドシステムを構築するための設計指針を得ます。またバイオ燃料油のコスト低減のために、抽出した燃料油を直接燃焼する技術を開発します。

(4)ディーゼル発電/マイクログリッドシステムの実証試験

(5)事業性の評価
発電用のバイオ燃料油と副製品の製造プロセスのLCA・コスト計算を行い、タンザニアで有望な再生可能エネルギー間の比較とエネルギー利用の地域適性を整理します。また近い将来の無電化地域でのディーゼル発電/マイクログリッドシステムの社会実装に備えて、電気料金設定のためのデータの蓄積を行います。(5)事業性の評価

(6)人材育成
タンザニアの研究者や学生の日本での技術研修、タンザニア学生の日本の博士課程への入学、研究分野ごとのワークショップでの日本とタンザニアの活発な学術交流を通して、タンザニアの人材育成を実現します。