研究室紹介

私たち青木・加瀬研究室ではは放射線情報学の研究を進めています。最近は放射線検出器やイメージングに関して同じ電子工学研究所の越水研究室(シンチレータ・蛍光体等の機能性材料)、中野研究室(半導体中性子検出器・GaN系半導体デバイス)、伊藤研究室(パルスレーザーによる半導体検出器の動的評価)、増澤研究室(ダイヤモンド中性子検出器)などと緩くいっしょに研究させて頂いております。それぞれの先生方の中心となる研究内容はそれぞれのWebページなどを参照ください。

まず、放射線情報学って?という疑問にお答えしつつ、概要を説明します。
放射線情報学とは私たちが勝手に命名しておりますので、私たちの勝手な定義です。

  • 情報学的アプローチで、人類、地球、世界といった大きな観点から、広義の放射線による幸せの実現を目指します。情報の力でこれまで実現できなかった世界に学際的に取り組みます。
  • 放射線に隠された新たな高次情報を人間に有用な形で取り出し活用します。
  • 電子工学、半導体工学、材料工学のベースをもっていますので、必要があれば材料からデバイス、システムも創り上げます。材料デバイスから計測システムまで必要に応じて研究します。
  • 最近はフォトン・電荷カウンティングX線CTによる物体内部も含む三次元ボクセルデータの可視化にも手を出しています。人間の目で感じ取れる三次元は物体表面の情報までで、内部構造を持つ三時限情報は人間の単純理解を超えています。xR技術を駆使した研究を進めています。

その上で、

  • 個々の光子・電子をナノ領域で取り扱うナノビジョンサイエンスの構築を目指します。従来の集団統計的な取扱から、フォトンカウンティングに代表される1つ1つの光子・電子の取扱に進みます。
  • いまは基礎的な研究でも「いつか(すぐなのか、10年後なのか100年後なのかはわかりません)は実用に」をいつも頭に入れながら研究します。

 

こんな研究にメンバー一丸で取り組んでいます。私たちの研究室から出発した、静岡大学発ベンチャー「株式会社ANSeeN」も仲間です。

情報学部学生さんへ

まわりの天才的プログラマーの友人を見て「私はプログラミングできない」と思っていませんか。みなさんがこれまでに本学部で受けてきたプログラミング教育は、単にプログラムを書くための教育には留まりません。コードの一行に書くことのできるわずかな命令に事象を分解し、論理立て組み立てる、そのトレーニングが確実にできています。工学系の学生に負けない、いや、それ以上に論理的思考が出来るようになっています。また、できない、と思っているプログラミングも研究室で目標や目的が定かになったとき、ソースを書くことができるだけの能力が備わっています。まずは自信を持って研究に望んでください。
私たちの研究室は「放射線」を扱う研究室で情報学部のなかではかなり異端児です。工学を通り越えて理学に近い部分も併せ持ちます。このかなり「物理」な世界も情報学の力でこれまで不可能であったことが可能になります。情報学的アプローチで新たなシステムが見えてきます。これまで知ることのできなかった新しい物理軸を検出してこれらに適用することができます。
放射線界のドラえもん(決して私の体型ではありません)を目指して、一緒に新たな世界を切り開いてみませんか。情報学がもたらす可能性はこれまでの工学をずっと高度に、しかも全く新しい観点から進めることが出来るものと信じています。共に放射線情報学の未来を構築しましょう。