【第96回】「ありがとう」は魔法の言葉

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投稿者:松浦 有里子(平成19年 理学部 生物地球環境科学科 卒)

私は、とある模型メーカーのお客様サポートセンターで働いています。(大学での専攻をまったく活かす場がありません。先生方、丁寧にご指導いただいたのにごめんなさい…)

サポートセンターなので、商品についての質問や注文受付、もちろん苦情のお電話もあります。そして、ご利用いただく方も内容も様々です。「模型メーカーだから」なのか、ご利用いただくお客様は、失礼かもしれませんが、皆さん少し面白いです。
ごく一般的な企業やお客様に混じって、日中勤め先から堂々と電話してくる方や(内心:集中して仕事してください)、人生相談をしてくるおじいさま(商品と全く関係ない…)、別メーカーの商品について質問をしてくる方(うちの商品じゃありません!)、先日は、自称、魔法使いの方からお電話をいただきました。(本当です。)
何が起こるか、どんな電話がくるのか、サポートセンター全体が、毎日奮闘しています。

「サポート」なので、お困りのお客様の親身になって誠実な対応を…というのが理想です。もちろん、仕事なので当たり前なのですが、現実は、なかなかうまく事が運びません。お客様から怒られて、「精神的に辛くて、仕事辞めたい!」と思うこともあります。(きっとこれからも絶対にあります。)

そんな私の仕事のポリシーは、お客様を悲しい気持ちにして電話を終わらせないこと。たとえ、お客様のご要望に添えなくとも、ポジティブな方向でお話を終えるように心がけています。対応がどの程度お客様にご満足いただけたか、ご納得いただけたか、企業の対応として正しかったのか、自身では判断が難しいところですが、対応したお客様は、かなりの確立で「ありがとう」とおっしゃってくださいます。

この「ありがとう」は、私にとって、魔法の言葉です。心がほっとします。「可能な限りの対応をすることで、お客様の困りごとが少しでも解消されて良かった」と。そして、また次の電話対応も、次の日の仕事もがんばろう、と思うことができます。

「ありがとう」は、言った方も言われた方も、お互いに気持ちがよくなる素敵な言葉だと思います(当たり前ですが)。気持ちは声に出さないと伝わりませんし、少し気恥ずかしい気もしますが、こんな魔法の言葉はなかなかありません。「ありがとう」という言葉、これからも、たくさん使いたいな、と思います。