【第88回】今年社会人になられた後輩諸君へ

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投稿者:安田 芳樹(昭和58年 人文学部 経済学科15回卒)

昭和58年3月に静岡大学の人文学部(現人文社会科学部)経済学科を卒業し、名古屋に本店がある中部電力に入社した。早いもので、今年で34年目を迎えたが、この5月から、12箇所目の職場となる「公益社団法人 愛知労働基準協会」に出向し、電気事業を離れて労働基準行政の支援を行っている。年齢的に、中電本体に戻ることはないであろうから、今回の異動は大きな節目と言える。こうした時に、リレーエッセイ投稿の機会をいただいたので、静大卒業後のサラリーマン人生を振り返りながら、思うところを記してみたい。

私はこれまで、実に多くの業務に携わってきた。営業所でのお客様対応をスタートに、燃料、企画、営業、人事、資材、内部監査といった部門に身を置き、また、発電所で原子力関係の法定管理者を務めたこともある。いずれも、上司や同僚、部下に支えられて、何とか職責を果たしてきたつもりであるが、これだけ多岐にわたる仕事に従事してきたのは異例であろう。

国民の生活や産業を支える電力会社で働きたいとの一心で、中電に飛び込んだが、担当する業務の大半が未知の領域で、辞令を受けるたびに暫くは非常に苦労した。しかし、徐々に面白さが見えてきて、いずれもやりがいを感じて取り組むことができ、今日に至っている。

さて、今年4月に社会人となった後輩諸君は、これからどうようなキャリアを歩むのであろうか。自分の希望する業務が担当できなくとも、与えられた業務に心血を注いで取り組めば、必ずや面白さが見えてくるものと思う。先ずは、一心不乱に今の仕事に没頭してほしい。そして、そのことが新しい道を切り拓くことにも繋がるであろう。これからの成長・活躍を衷心より祈念する。