無花粉スギ品種を開発しました

静岡県森林・林業研究センターと取り組んでいた共同研究の成果が形になりました。

花粉が出ないスギを選抜し、静岡県森林・林業研究センター、神奈川県自然環境保全センター、森林総合研究所林木育種センターと共同で品種申請し、優良品種の評価を受けることができました。
新しい無花粉スギの名称は「春凪(はるな)」です。
詳細はプレスリリースを出しておりますので、ぜひご覧ください。

https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=10762

この品種が将来の林業で活用され、花粉症対策の一助となることを願っています。

 

 

令和6年度関東森林管理局森林・林業技術等交流発表会で優秀賞を受賞しました

2025年2月13~14日に林野庁関東森林管理局で開催された令和6年度森林・林業技術等交流発表会で当研究室の大岩胡春さんが発表し、優秀賞を受賞しました。

おめでとうございます!

発表は以下の通りです。
大岩胡春、花岡創、佐々木壮規「スギ当年生苗生産におけるペーパーポットの実用性評価と気象条件から苗木の初期成長を予測するモデルの開発」

なお、本発表では日本甜菜製糖株式会社との共同研究の成果を公表しました。

2024年秋の学会参加レポート

2024年11月9日に開催された中部森林学会で研究室メンバーが2件の発表を行いました。ぜひ、中部森林学会のサイトから要旨をご覧ください。https://www.chubu-shinrin.jp/programme2024.pdf

・鈴木夢人, 三浦雅弘, 大宮泰徳, 花岡創 (2024) UAVと深層学習モデルを用いたテリハボクの着果量評価技術の開発. 第14回中部森林学会 公演番号601

・中村亮介, 袴田哲司, 齋藤央嗣, 花岡創 (2024) 成長と材質形質に優れた無花粉スギ品種の選抜. 第14回中部森林学会 公演番号108

 

 

その他、森林遺伝育種学会で花岡が共著として発表した研究をご紹介します。ご興味があれば、ぜひ、要旨をご覧ください

・遠藤向赳(千葉大院園芸), 石塚航 (道総研), 花岡創 (静大農), 渡辺洋一 (千葉大院園芸), (2024) エゾユズリハとユズリハの推定交雑集団における形態・遺伝解析による交雑実態解明. 第13回森林遺伝育種学会. P02

・生方正俊(森林総研林育セ北海道), 中田了五(森林総研林育セ北海道), 花岡創(静大農) (2024)北海道におけるアカマツ種子の発芽と苗木の成長. 第13回森林遺伝育種学会. P40

・福田陽子(森林総研林育セ北海道) 花岡創 (静大農), 三嶋賢太郎 (森林総研林育セ東北), 永野聡一郎 (森林総研林育セ), 平尾知士(森林総研林育セ) (2024)グイマツ育種母材の葉フェノロジーと雑種形成率の関係性. 第13回森林遺伝育種学会. P46

加治屋杏奈 (千葉大教育), 田邊 純(千葉大教育), 花岡 創 (静大農), 福田陽子(森林総研林育セ北海道) (2024)アカエゾマツの半径方向成長,容積密度および ミクロフィブリル傾角のクローン間差異に寄与する産地の環境要因. 第13回森林遺伝育種学会. P47

 

 

最近の調査

当研究室では、これまで林業用苗木の生産現場では使われてこなかった資材を用いることで、苗木生産における低コスト化と省力化の実現を目指しています(日本甜菜製糖株式会社との共同研究として実施しています)。また、気象条件とスギ苗木の成長を定期的にモニタリングし、気象条件から成長を予測するモデルを開発することも目指しています。

日々、ぐんぐんと伸びる苗木を眺めるのは楽しくもあり、でも、頻繁に1000本近い苗木を計測してもらうのは大変でもあります。

炎天下の中で調査を頑張った後に、演習林宿舎から徒歩5分の場所にある阿多古川で涼んでから帰宅するのが最近の流れになっています。こういう楽しみがあるのも、演習林で研究する醍醐味ですね。

調査レポート 6月

当研究室では、沖縄県の西表島でテリハボクの研究をしています。

テリハボクは種子オイルの活用が注目されており、着花と着果の多い品種を選抜することが目標です。
5m以上の樹高のテリハボクの着花をいかに正確に、効率的に実現するのか?その技術開発はチャレンジングな課題です。また、着花性にどの程度の遺伝性があるのかを明らかにすることも、学術的に興味深い課題です。

我々は、ドローンとAIを駆使してこの課題に挑戦しています。その結果は、お楽しみに、、、、、