遺伝・育種学研究には、家系、あるいはクローン材料の準備が必要不可欠など、苗木育成のノウハウがとても大切です。林業分野に目を向けても、プラスチック製の容器を用いて集約的に苗木生産を行うコンテナ苗の利用が広がるなど、林業システムを含めたイノベーションが進められています。
私たちの研究室では、貴重な植物の増殖手法や林業用種苗生産の効率化、あるいは、気候変動に適応した種苗生産のあり方についての研究などにも取り組んでいます。
最近では、民間企業との共同研究として、生分解性のペーパーポットを活用した新しいエコな林業用種苗生産手法の構築に関する研究を行っています。あるいは、植物のストレス緩和に有効と言われる成分の、林業用種苗への適用可能性を検証する研究なども実施しています。単に苗木を育て、測定するだけではなく、その反応を遺伝子発現レベルで捉えて検証するなど、メカニズムの根本理解も含めた研究を行っています。

その他にも、今後の遺伝・育種学研究に活用する種苗の育成に関する課題解決やクローン増殖技術の高度化など、様々な視点で研究進めています。
今まであたりまえだったやり方を変え、新しい価値観を林業分野に提供できたら、と考えています。