Designed synthesis of nanoporous materials via novel approach /
新たな合成戦略に基づく機能性ナノ空間材料の創製
ゼオライトや多孔性配位高分子(PCP)に代表される結晶性ナノ多孔質材料は、その特異な吸着・イオン交換・触媒能などから広く工業的に利用されている材料です。精緻に制御された結晶性骨格とそれに起因する機能を発現させるためには、骨格構造やその組成を狙って設計する必要があります。これまでにも、水熱条件下での核生成・結晶成長に関する速度論的過程と平衡論的過程を制御しようと、様々なアプローチが試みられてきました。しかしながら、主たるアプローチは有機分子の多様性を利用したものであり、新たな革新的手法が求められています。
我々は多孔性材料のデザイン合成に向け、新たな有機構造規定剤や規則的構造欠陥を利用した新たなアプローチに挑戦します。
Precise control of a single atom site in heterogeneous catalyst /
不均一系触媒における単原子触媒活性点の精密制御
不均一系触媒(固体触媒)は分離などのプロセスの優位性から均一系触媒に比べ大規模に利用されています。一方で、緻密な触媒活性点(反応点)の制御という点では均一系触媒に軍配が上がり、製薬等の精緻な合成プロセスに役立っています。固体触媒上に精密な活性点を創製する手法として、担体に単原子金属を担持させるアプローチがあります。これは理想的なモデル活性点として反応解析などに利用できますが、調製が困難であり、工業プロセスでの利用にも向いていません。
我々は、結晶性骨格を担体とし骨格構成原子を同型置換することによって得られる触媒反応点も、同様にモデル活性点とみなせることに着目しています。精緻な結晶性骨格を有する材料の合成と、そこで進行する触媒反応の解析に挑戦していきます。
Catalytic upgrading of small molecules /
触媒による低分子の高付加価値化
現在、ほとんどの化学品は石油由来の資源から製造されています。様々な環境・資源問題に対応し、この石油資源に頼ったプロセスから脱却することが求められています。究極的な炭素資源である二酸化炭素の利用の他、バイオ発酵で得られる含酸素低分子などを石油に代わる資源として利用するために、触媒を用いた分子変換技術が必要とされています。
これまでに取り組んできたメタン転換やメタノール転換以外にも、エチレン、エタノール、またはこれらの混合物などを更なる高付加価値化学品へと転換する技術に挑戦していきます。
Reseaches 2023~ / 研究テーマ
– 超大細孔空間を有するゼオライトの合成検討 (B4)
– 金属導入層間拡張型ゼオライトの合成と触媒応用 (B4)
– 金属を担持したゼオライト触媒を用いた低級アルケンのヒドロホルミル化反応 (B4)
Reseaches ~2022 / 過去の研究テーマ
– ゼオライト触媒を用いたオレフィン合成において骨格構造がプロピレン選択性に及ぼす影響 (M2)
(Effect of framework structure on the propylene selectivity in olefin production over zeolite catalysts)
– 4配位Tiを高濃度に骨格に含む多孔性シリカ材料の合成と触媒応用 (M2)
– アルカン転換反応を指向した骨格タンタルを有するゼオライトの合成 (M2)
– Study of Relationship between Al Distribution in ZSM-5 Zeolite Framework
and the Catalytic Performance in MTO Reaction by Transient Kinetic Method (M2)
– ZSM-5担持貴金属種上での触媒的メタン直接部分酸化反応による含酸素化合物の合成 (M2)
– 定常状態同位体過渡応答法を用いたZSM-5上でのMTO反応におけるプロピレン生成の解析 (M2)
(Steady-state Isotopic Transient Kinetic Analysis on Propylene Formation
over Methanol-to-Olefins Reaction Catalyzed by ZSM-5)
– 窒化によりメソポーラスシリカ上に生成する各アミン種の量的制御と塩基触媒反応での特性 (M2)
Reseach Gallery / 過去の研究テーマの紹介コンテンツ