日 時: 2010年12月3日(金), 4日(土)
場 所: 静岡大学理学部 C 棟 309 号室
案 内: http://www.shizuoka.ac.jp/ippan/shizuoka.html
理学部 A 棟1階から入り,エレベーターで4階まで上がり,渡り廊下を渡ると,理学部 C 棟の1階に着きます.
連絡: 浅芝秀人 (shasash+), 毛利出 (simouri+), 木村杏子 (skkimur+)
(+ := @ipc.shizuoka.ac.jp)
注意: 土曜日,理学部棟は施錠されています.
鍵を開けるため9時半すぎから10時近くまでA棟1階の入り口に人員を配置します.
土曜日だけの参加も大歓迎です.
その場合,1コマ目に遅刻する可能性があれば,事前に連絡しておいてもらった方が無難です.
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プログラム
12月3日(金)
13:45 – 14:45 森島 北斗(大阪大学理学研)
擬等長の環論的不変量について, I
15:00 – 16:00 木村 杏子(静岡大学理)
単項式イデアルの算術階数と Schmitt-Vogel の補題
16:15 – 17:15 山浦 浩太(名古屋大学多元数理)
傾理論によるクライン特異点の研究 I
18:30 – 懇親会
12月4日(土)
09:30 – 10:30 森島 北斗(大阪大学理学研)
擬等長の環論的不変量について II
10:45 – 11:45 木村 杏子(静岡大学理)
行列式を用いた算術階数の研究
13:15 – 14:15 山浦 浩太(名古屋大学多元数理)
傾理論によるクライン特異点の研究 II
14:30 – 15:30 浅芝 秀人(静岡大学理)
Derived equivalences and Grothendieck constructions of lax functors from a small category to the 2-category of k-linear categories
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講演概要
- 森島 北斗
擬等長の環論的不変量について
有限生成群の擬等長による分類は1980年代のGromovの発案以来、幾何学的群論の中での主要な研究課題となっています。まずは、基本的な背景について説明します。次に 有限生成群$G$と任意の単位元を持つ環$k$に対してそのAlgebraic translation algebra ${\mathcal R}(G)=G\times l^f(G, k)$ ($\times$ ->$\ltimes$) を考えます。ここで$l^f(G, k)$は$G$上の$k$値関数でその像が有限になるもの全体のなす環です。 $G$と$G’$が擬等長ならばその${\mathcal R}(G)$と${\mathcal R}(G’)$が森田同値になることを証明します。最初は何も予備知識の要らない証明を与え、そのあとでTopological Groupoid を用いたより概念的な証明を与えます。 - 木村 杏子
単項式イデアルの算術階数と Schmitt-Vogel の補題
体上の多項式環のイデアルの算術階数とは、イデアルを up to radical に生成する元の個数の最小値のことである。 これは、そのイデアルの定義する代数的集合を、超曲面の 共通部分として表した時に必要な個数の最小値とも言える。 本講演では、up to radical な生成元を見つける際の基本的な 道具である Schmitt-Vogel の補題について述べる。行列式を用いた算術階数の研究
算術階数の研究において、up to radical な生成元を構成する際に、 行列式を用いる手法が Barile, Barile-Terai により発展されてきた。 本講演では、そこに焦点を当て、関連する結果を述べる。 - 山浦 浩太
傾理論によるクライン特異点の研究
この研究は名古屋大学の関谷雄飛氏との共同研究である. $G$ を $\mathrm{SL}(2,\mathbb{C})$ の有限部分群とし, クライン特異点 $\mathbb{C}^2/G$ を考える. このとき最小特異点解消はある前射影代数の $\theta$ 安定加群のモジュライ空間 $\mathcal{M}_{\theta}$ として構成できる事が知られている. ここで $\theta$ はGITパラメータであり, $\mathcal{M}_{\theta}$ はGIT商として構成される. 本講演ではGITパラメータ $\theta$ を変化させたときに, GIT商 $\mathcal{M}_{\theta}$ がどのように変化するかを前射影代数の傾理論を用いて記述する. - 浅芝 秀人
Derived equivalences and Grothendieck constructions of lax functors from a small category to the 2-category of k-linear categories
We fix a commutative ring $\mathbb{k}$ and a small category $I$, and denote by $\mathbb{k}$-$\mathbf{Cat}$ the 2-category of $\mathbb{k}$-linear categories. As a generalization of a group action on a $\mathbb{k}$-category, we consider a functor $X: I \to \mathbb{k}\text{-}\mathbf{Cat}$ (when $I$ is a group, this is just a group action). We first consider how to define its “module category” $\mathrm{Mod} X$ and “derived category” $\mathcal{D}\mathrm{(Mod} X)$ to investigate derived equivalences of those $X$. If I is not a groupoid, then an expected candidate of the definition does not work within the limits of functors, and it needs to define them as (op)lax functors. Therefore we work over oplax functors, and for each oplax functor $X$ we will define $\mathrm{Mod} X$, $\mathcal{D}\mathrm{(Mod} X)$ as oplax functors $I \to \mathbb{k}\text{-}\mathbf{Cat}$. Main results: (1) Let $X$ and $X’$ be oplax functors $I \to \mathbb{k}\text{-}\mathbf{Cat}$. If $X$ and $X’$ are derived equivalent, then so are their Grothendieck constructions. This gives a unified proof of the fact that if $A$ and $A’$ are derived equivalent $\mathbb{k}$-algebras, then so are their quiver algebras $AQ$, $A’Q$, incidence algebras $AS$, $A’S$ and semigroup algebras $AG$, $A’G$ for all quivers $Q$, posets $S$ and semigroups $G$. (2) The Morita type theorem characterizing derived equivalences by Rickard and Keller is generalized in this setting.